初学者の判断スキル向上に向けた生成AIによる映像合成ー膝関節ラテラルスラストを例としてー

変形性膝関節症による膝の痛みは,運動量の低下による健康寿命の短縮を招き社会問題のひとつとなっている. 変形性膝関節症の所見としてラテラルスラストという歩行時の膝の微小な横ぶれがある.これを早期に発見することは患者への介入を早め, 健康寿命を延ばす上で非常に重要である.しかし臨床においてラテラルスラストの発見にはスキルが必要とされる.著者らは経験が少ない若手の医師や理学療法士が多くのラテラルスラスト症例に,触れる機会を創出し, 診断スキルを向上させるためにHuman Motion Transfer 技術を用いて変形性膝関節症患者の歩行特徴を, 他者に付与した合成映像を作成してきた.本稿では, 合...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 293_1
Main Authors 佐藤, 優気, 藤田, 浩二, 三上, 弾, 井原, 拓哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.293_1

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Summary:変形性膝関節症による膝の痛みは,運動量の低下による健康寿命の短縮を招き社会問題のひとつとなっている. 変形性膝関節症の所見としてラテラルスラストという歩行時の膝の微小な横ぶれがある.これを早期に発見することは患者への介入を早め, 健康寿命を延ばす上で非常に重要である.しかし臨床においてラテラルスラストの発見にはスキルが必要とされる.著者らは経験が少ない若手の医師や理学療法士が多くのラテラルスラスト症例に,触れる機会を創出し, 診断スキルを向上させるためにHuman Motion Transfer 技術を用いて変形性膝関節症患者の歩行特徴を, 他者に付与した合成映像を作成してきた.本稿では, 合成された映像を用いた診断トレーニングの効果検証について述べる.本稿の範囲では,情報学部の学生を被検者として約1ヶ月に渡り繰り返し診断トレーニング(動画を視聴し,ラテラルスラストの有無について3段階で回答する訓練)を行い,さらにその期間中に定期的な診断スキル評価テストを行うことで,合成映像を用いた訓練による診断スキル向上効果の検証実験を行った.実験では,訓練に用いる動画の患者の数および合成により増やす数のバランスを変化させて効果の違いを検証した.本実験は,医療分野の知見を持たない情報学部生を対象として行ったが,今後理学療法士を目指す学生など本研究で対象としたい被検者での実験を行っていきたい.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.293_1