粒子画像流速測定法を用いた模擬血管壁近傍の詳細な流れの可視化と速度ベクトルの推定

血液透析患者のバスキュラーアクセスは血液透析療法において必要不可欠であり、その機能を良好に維持することは重要である。一般的に血液透析療法では 15〜17G 留置針が用いられており、バスキュラーアクセス機能維持のためにはより細い留置針の使用が望ましいが、返血側では同じ設定流量において細い留置針ほど血液が血管内に戻る速度が速くなり、そのときに生じるせん断力が炎症や狭窄の形成に関与する可能性があるとの報告がある。我々のグループでは返血側留置針からの流れが血管に与える影響について解明することを目的とし、粒子画像流速測定法を用いて G 数や設定流量の違いによる模擬血管内の流れの可視化、速度ベクトルの推定...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 330_2
Main Authors 林, 咲良, 奥, 知子, 本橋, 由香, 山内, 忍, 佐藤, 敏夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.330_2

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Summary:血液透析患者のバスキュラーアクセスは血液透析療法において必要不可欠であり、その機能を良好に維持することは重要である。一般的に血液透析療法では 15〜17G 留置針が用いられており、バスキュラーアクセス機能維持のためにはより細い留置針の使用が望ましいが、返血側では同じ設定流量において細い留置針ほど血液が血管内に戻る速度が速くなり、そのときに生じるせん断力が炎症や狭窄の形成に関与する可能性があるとの報告がある。我々のグループでは返血側留置針からの流れが血管に与える影響について解明することを目的とし、粒子画像流速測定法を用いて G 数や設定流量の違いによる模擬血管内の流れの可視化、速度ベクトルの推定を試み、報告をしてきた。本研究では留置針からの流体が血管壁に衝突する付近の詳細な流れの可視化、速度ベクトルの推定を試みた。初めに有効長を合わせた 16G ストレートタイプ、17G ストレートタイプ、17G ハイフロータイプ留置針を用意し、留置針先端が模擬血管の中心に位置するように角度 25°で固定した。次に模擬血管内に水、留置針にトレーサ溶液を流し、管壁近傍のトレーサの挙動を高速度カメラで撮影した。最後に画像を解析し流れの可視化、速度ベクトルの推定を試みた。先行研究では最大流速、平均流速共に 17G ストレートタイプが最も速い結果となっている。本研究は継続中であり結果と考察については本学会で報告する予定である。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.330_2