実体顕微鏡による肺標本の観察システムの開発

肺の末梢構造の理解は,各種モダリティの画像と関連付けて閲覧する必要がある.しかし,解剖構造をディジタル形式で提示し,肺の構造を体系的に学習するために対話性をもって実行するシステムはほとんど存在しない.本研究の目的は,実体顕微鏡による肺の乾燥肺標本の観察を対象として肺標本のディジタル画像収集に着目し,収集した実体画像の詳細情報を提示する実体顕微鏡の実現である.そのために,肺の重要な構造である肺胞道の検出を行う手法を考案した.まず,収集した実体顕微鏡画像は肺胞道の領域ラベルをもたないため,画像処理手法を用いて疑似ラベルを作成する.擬似ラベル作成は,半径を指定した円形領域内と環状領域内のそれぞれの平...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 261_2
Main Authors 原, 武史, 松尾, つぐみ, 田中, 雅人, 伊藤, 春海, 負門, 克典, 松迫, 正樹, 周, 向栄, 野崎, 太希
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.261_2

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Summary:肺の末梢構造の理解は,各種モダリティの画像と関連付けて閲覧する必要がある.しかし,解剖構造をディジタル形式で提示し,肺の構造を体系的に学習するために対話性をもって実行するシステムはほとんど存在しない.本研究の目的は,実体顕微鏡による肺の乾燥肺標本の観察を対象として肺標本のディジタル画像収集に着目し,収集した実体画像の詳細情報を提示する実体顕微鏡の実現である.そのために,肺の重要な構造である肺胞道の検出を行う手法を考案した.まず,収集した実体顕微鏡画像は肺胞道の領域ラベルをもたないため,画像処理手法を用いて疑似ラベルを作成する.擬似ラベル作成は,半径を指定した円形領域内と環状領域内のそれぞれの平均画素値を求め,画素値の差分強度から特徴検出を行う.学習モデルは,U-Net++を用いる.交差検証を行ったのち,生成されたラベルと抽出結果の評価は目視で行う.初期の疑似ラベルより高精度と判断した場合は,次回の学習に用いる新たな正解ラベルとする.このようなラベルの更新後,最終検証用データを用いて目視とIoUで評価した.その結果,疑似ラベルと生成画像のIoUは29.34%となり,初期の疑似ラベルのみで交差検証を行った結果より目視,IoUともに向上した.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.261_2