野球肘診断支援のための深層学習による超音波画像からの離断性骨軟骨炎の検出

野球肘は野球の投球動作を繰り返すことで引き起こされる肘の障害である.その中でも上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(osteochondritis dissecans: OCD)は難治性の骨軟骨損傷である.初期での早期発見ができたときは保存療法(野球をしないこと)が有効であることが知られている.早期発見のために,各地で野球肘検診が行われているが,専門医の不足により実施回数は年数回であること,病院を受診するハードルが高いため,重症化してしまう症例が多い.本研究では,OCDの早期発見を実現させるために,超音波画像から自動でOCD検出可能な人工知能モデルを作製し,診断を手軽に行えるようにする.肘の外側・後方・長...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 132_1
Main Authors 高辻, 謙太, 琴浦, 義浩, 祐成, 毅, 藤田, 大輔, 小林, 雄輔, 佐々木, 研太, 南, 昌孝, 木田, 圭重, 小橋, 昌司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual60.132_1

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Summary:野球肘は野球の投球動作を繰り返すことで引き起こされる肘の障害である.その中でも上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(osteochondritis dissecans: OCD)は難治性の骨軟骨損傷である.初期での早期発見ができたときは保存療法(野球をしないこと)が有効であることが知られている.早期発見のために,各地で野球肘検診が行われているが,専門医の不足により実施回数は年数回であること,病院を受診するハードルが高いため,重症化してしまう症例が多い.本研究では,OCDの早期発見を実現させるために,超音波画像から自動でOCD検出可能な人工知能モデルを作製し,診断を手軽に行えるようにする.肘の外側・後方・長軸の撮影方向の超音波画像におけるOCD検出モデルを学習する.被験者数はOCDが39人,異常が49人である.この内テストデータとしてOCDが8人,異常が10人として残りの画像で学習した検出モデルを評価する. VGG16のファインチューニングにより検出モデルを学習する.5分割交差検証による5つのモデルに対して,テストデータのOCD検出結果の平均値が正解率92.2%,適合率97.8%,再現率85.0%,F1値0.904であった.正解率,適合率については90%を超える高い値となったが,再現率が85.0%と低く,再現率向上が今後の課題であると考えられる.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual60.132_1