MR矢状断像を用いた近位脛骨関節面の半自動推定

近位脛骨関節面の形状的特徴は大腿脛骨関節の初期位置や安定性,キネマティクスおよび接触動態に大きな影響を与えることから,高位脛骨骨切り術,人工膝関節置換術および靱帯再建術の術前計画において重要な因子であると同時に,軟骨変性疾患や前十字靭帯損傷の発生メカニズムを検討する上でも考慮する必要がある.そこで本研究では,近位脛骨のMR矢状断画像を用いて骨形状を基に関節面を半自動推定する手法を提示するとともに,関節軟骨の存在範囲と比較したのでその結果について報告する.膝の矢状断画像において,近位脛骨の関節軟骨と軟骨下骨の境界をデジタイズした後スプライン曲線で補間する.デジタイズ点の最前方点と最後方点の間隔を...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 159_2
Main Authors 渡邉, 聡, 坂本, 信, 大森, 豪, 小林, 公一, 大渓, 一孝, 菅原, 大和, 古賀, 良生, 佐藤, 卓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual60.159_2

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Summary:近位脛骨関節面の形状的特徴は大腿脛骨関節の初期位置や安定性,キネマティクスおよび接触動態に大きな影響を与えることから,高位脛骨骨切り術,人工膝関節置換術および靱帯再建術の術前計画において重要な因子であると同時に,軟骨変性疾患や前十字靭帯損傷の発生メカニズムを検討する上でも考慮する必要がある.そこで本研究では,近位脛骨のMR矢状断画像を用いて骨形状を基に関節面を半自動推定する手法を提示するとともに,関節軟骨の存在範囲と比較したのでその結果について報告する.膝の矢状断画像において,近位脛骨の関節軟骨と軟骨下骨の境界をデジタイズした後スプライン曲線で補間する.デジタイズ点の最前方点と最後方点の間隔を前後長とし,その中間点から前方と後方にそれぞれ前後長の30%以上の距離をおいた位置で,スプライン曲線の接線の傾きが40°となる点を関節面の前方点ならびに後方点とする.目視により決定した関節軟骨の前縁点および最縁点と半自動推定点と距離誤差は,内側で1.2 ± 0.2 mm,外側で2.0 ± 0.8 mmであった.それぞれの点群を近似した平面の法線ベクトルの角度誤差は内側で1.0° ± 0.7°,外側で3.6° ± 2.5°となった.目視で決定した関節軟骨の存在範囲を真値とした場合の距離誤差及び関節近似平面の法線ベクトルの角度誤差は内側より外側で大きかった.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual60.159_2