パーキンソン病の新たな創薬標的の解明とその予防・治療応用研究

高齢化社会をむかえパーキンソン病の増加が社会問題であるが、根本的治療薬は未開発でありその開発が期待されている。私たちはパーキンソン病の発症機構の解明と治療薬の開発において、ドパミン神経選択的な変性メカニズムの解明、ドパミン機能を制御する新たな分子機構の発見、新たな創薬標的を用いた治療薬の薬理学的研究に取り組んできた。具体的に、ドパミン生合成の律速酵素であるチロシン水酸化酵素が中脳ドパミン神経で消失する新たな分子機構、消失したドパミン生合成酵素を回復するための新たな創薬標的の探索とドパミン作動性機能を制御する新規シグナルネットワーク、さらにパーキンソン病の原因タンパク質αシヌクレインが中脳ドパミ...

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Published in日本薬理学会年会要旨集 p. 1-YAL1
Main Author 川畑, 伊知郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬理学会 2021
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ISSN2435-4953
DOI10.1254/jpssuppl.94.0_1-YAL1

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Summary:高齢化社会をむかえパーキンソン病の増加が社会問題であるが、根本的治療薬は未開発でありその開発が期待されている。私たちはパーキンソン病の発症機構の解明と治療薬の開発において、ドパミン神経選択的な変性メカニズムの解明、ドパミン機能を制御する新たな分子機構の発見、新たな創薬標的を用いた治療薬の薬理学的研究に取り組んできた。具体的に、ドパミン生合成の律速酵素であるチロシン水酸化酵素が中脳ドパミン神経で消失する新たな分子機構、消失したドパミン生合成酵素を回復するための新たな創薬標的の探索とドパミン作動性機能を制御する新規シグナルネットワーク、さらにパーキンソン病の原因タンパク質αシヌクレインが中脳ドパミン神経に取り込まれ伝播する新たなメカニズムを明らかにし、パーキンソン病の予防・治療応用が期待される。これらの研究成果から、パーキンソン病を含むレビー小体疾患の克服とその創薬研究、今後の展望について紹介する。
Bibliography:94_1-YAL1
ISSN:2435-4953
DOI:10.1254/jpssuppl.94.0_1-YAL1