農村部における中年期国民健康保険被保険者の健康診査・診断受診の状況・背景 質的研究
「緒言」生活習慣病は, 日本人の死亡原因の約5割を占める. 厚生労働省は, 疾患の早期発見・早期治療の対策に加え, 生活習慣改善による発症予防の推進を国の方針としている. 地域保健が取り組む生活習慣病の予防策では, 住民が自身の生活習慣の問題点・生活習慣病関連症状を早期に発見することを促すことが重要である. 本研究では, その機会として定期的な健康診査・診断(以下, 健診)に着目した. 生活習慣病の発症・悪化予防を目的とした健診の代表的な例として, 40~74歳を対象とした特定健康診査(以下, 特定健診)がある. 特に国民健康保険(以下, 国保)の被保険者の受診率は, 全国の平均的な受診率より...
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Published in | 日本健康学会誌 Vol. 87; no. 4; pp. 161 - 172 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本健康学会
31.07.2021
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Subjects | |
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ISSN | 2432-6712 2432-6720 |
DOI | 10.3861/kenko.87.4_161 |
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Summary: | 「緒言」生活習慣病は, 日本人の死亡原因の約5割を占める. 厚生労働省は, 疾患の早期発見・早期治療の対策に加え, 生活習慣改善による発症予防の推進を国の方針としている. 地域保健が取り組む生活習慣病の予防策では, 住民が自身の生活習慣の問題点・生活習慣病関連症状を早期に発見することを促すことが重要である. 本研究では, その機会として定期的な健康診査・診断(以下, 健診)に着目した. 生活習慣病の発症・悪化予防を目的とした健診の代表的な例として, 40~74歳を対象とした特定健康診査(以下, 特定健診)がある. 特に国民健康保険(以下, 国保)の被保険者の受診率は, 全国の平均的な受診率より低く(2015年度数値でそれぞれ36.3%, 50.1%), 中でも40~50代の中年期の者ではさらに低い(2015年度の男女別受診率は17.2%~32.4%). また, 定期的に医療機関を受診しているものの割合は, 年齢とともに上昇することが知られており, 中年期の定期的な健康状態の把握はおろそかになっている可能性がある. |
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ISSN: | 2432-6712 2432-6720 |
DOI: | 10.3861/kenko.87.4_161 |