頭蓋照射を受けた急性リンパ性白血病経験者における最終身長に影響を及ぼす因子と成長ホルモン分泌刺激試験の検討

頭蓋照射を受けた小児急性リンパ性白血病 (ALL) 経験者51名を対象に, 最終身長に及ぼした因子, および成長ホルモン (GH) 分泌刺激試験の結果について検討した.両親の身長から計算した目標身長と実際の最終身長との比 (RFT) を求めた.RFTは, 遺伝的な背景を加味した獲得最終身長の割合を表しているものと考え, この値を最終身長の評価に用いて検討を行った.RFTが0.95未満の経験者は13.7%, 0.975未満は27.5%であった.RFTは診断時年齢と総副腎皮質ホルモン投与量と関係があったが, 性別と頭蓋照射量とは関係を認めなかった.RFTが0.975未満の12名中の11名はGH分泌...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 22; no. 2; pp. 119 - 125
Main Authors 海津, 聖彦, 前田, 美穂, 福永, 慶隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 2008
Online AccessGet full text
ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.22.119

Cover

More Information
Summary:頭蓋照射を受けた小児急性リンパ性白血病 (ALL) 経験者51名を対象に, 最終身長に及ぼした因子, および成長ホルモン (GH) 分泌刺激試験の結果について検討した.両親の身長から計算した目標身長と実際の最終身長との比 (RFT) を求めた.RFTは, 遺伝的な背景を加味した獲得最終身長の割合を表しているものと考え, この値を最終身長の評価に用いて検討を行った.RFTが0.95未満の経験者は13.7%, 0.975未満は27.5%であった.RFTは診断時年齢と総副腎皮質ホルモン投与量と関係があったが, 性別と頭蓋照射量とは関係を認めなかった.RFTが0.975未満の12名中の11名はGH分泌刺激試験の反応があり, RFTが1.0以上の17名中3名でGH分泌刺激試験の反応が低下しており, 頭蓋照射を受けたALL経験者に対するGH分泌刺激試験の結果は最終身長を反映していなかった.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.22.119