健康成人女性における口腔内マッサージの生理的・主観的効果の検証

本研究は,徒手による口腔内のマッサージが及ぼす生理的・主観的効果を明らかにすることを目的とした.健康な成人女性12名を対象者として,口腔内に10分間のマッサージを行い,効果を検証するためマッサージ前後に生理的・主観的評価を行った.結果は統計的分析を行ったところ,マッサージ後は唾液中のアミラーゼ活性が有意に低下し,心電図におけるR-R間隔は有意な増加がみられ,リラックスした状態であると考えられた.また,マッサージにより顔面の皮膚温は有意に上昇し,歯肉へのマッサージでは下顎中切歯部の血流量が有意に増加を示し,マッサージは血液循環の促進が期待できる.一方,主観的評価のPOMSのT得点は,マッサージ後...

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Published in千葉県立保健医療大学紀要 Vol. 8; no. 1; pp. 1_27 - 1_33
Main Authors 吉田, 直美, 大川, 由一, 麻賀, 多美代, 麻生, 智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 千葉県立保健医療大学 24.03.2017
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ISSN1884-9326
2433-5533
DOI10.24624/cpu.8.1_1_27

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Summary:本研究は,徒手による口腔内のマッサージが及ぼす生理的・主観的効果を明らかにすることを目的とした.健康な成人女性12名を対象者として,口腔内に10分間のマッサージを行い,効果を検証するためマッサージ前後に生理的・主観的評価を行った.結果は統計的分析を行ったところ,マッサージ後は唾液中のアミラーゼ活性が有意に低下し,心電図におけるR-R間隔は有意な増加がみられ,リラックスした状態であると考えられた.また,マッサージにより顔面の皮膚温は有意に上昇し,歯肉へのマッサージでは下顎中切歯部の血流量が有意に増加を示し,マッサージは血液循環の促進が期待できる.一方,主観的評価のPOMSのT得点は,マッサージ後に「緊張‐不安」,「疲労」の得点が有意に低下し,気分チェックリストにおいても,「緊張覚醒度」が有意に低下した.口腔内のマッサージは緊張や疲労感を軽減させ,リラクゼーション効果を与えることが示唆された.
ISSN:1884-9326
2433-5533
DOI:10.24624/cpu.8.1_1_27