1.抗菌薬開発停滞の打破へ向けて

耐性菌の増加と蔓延が進行する中で,新しい抗菌薬の開発が進まない状況が深刻な問題となっている.米国では“2020年までに10薬剤の開発”をスローガンに,産官学の連携の中で抗菌薬開発促進の動きがみられている.その1例が2011年に施行されたGAIN法であり,この法律により耐性菌感染症に対する新しい治療薬に対して5年間の排他的(独占)販売期間の延長が認められた.日本でも,創薬促進検討委員会が立ち上がり,感染症関連学会,行政(厚生労働省,文部科学省,経済産業省),製薬企業との意見交換がスタートした.これまで世界標準の抗菌薬を多数創出してきた日本企業の知的・人的・物的リソースを生かす抗菌薬開発の環境整備...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 102; no. 11; pp. 2908 - 2914
Main Author 舘田, 一博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2013
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.102.2908

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Summary:耐性菌の増加と蔓延が進行する中で,新しい抗菌薬の開発が進まない状況が深刻な問題となっている.米国では“2020年までに10薬剤の開発”をスローガンに,産官学の連携の中で抗菌薬開発促進の動きがみられている.その1例が2011年に施行されたGAIN法であり,この法律により耐性菌感染症に対する新しい治療薬に対して5年間の排他的(独占)販売期間の延長が認められた.日本でも,創薬促進検討委員会が立ち上がり,感染症関連学会,行政(厚生労働省,文部科学省,経済産業省),製薬企業との意見交換がスタートした.これまで世界標準の抗菌薬を多数創出してきた日本企業の知的・人的・物的リソースを生かす抗菌薬開発の環境整備が,今求められている.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.102.2908