改良BCR逐次抽出法による鉛・フッ素汚染土壌の酸洗浄の処理特性解析

土壌洗浄法によって汚染土壌中の重金属含有量の大部分を除去し含有量基準を十分に満足しても,洗浄砂の溶出量が環境基準を超過する場合がある.洗浄砂が溶出量基準を確実に満足するためには,重金属の中で溶出量に関係する化学形態の画分を除去することが必要である.本研究では,日本の汚染土壌で頻出する鉛とフッ素を対象とし,改良BCR逐次抽出法を用いて鉛とフッ素の化学形態を調べた上で,酸洗浄の処理特性を実験的に検討した.酸洗浄は酸濃度を2∼3段階,L/S=2,4の条件で行った.塩酸による鉛抽出量は,硫酸や酢酸よりもかなり大きな値であった.溶出量に関係する形態の鉛やフッ素を抽出し溶出量を大幅に低減するという酸洗浄の...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in土木学会論文集G Vol. 65; no. 4; pp. 246 - 259
Main Authors 貫上, 佳則, 毛利, 光男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 2009
Online AccessGet full text
ISSN1880-6082
DOI10.2208/jscejg.65.246

Cover

More Information
Summary:土壌洗浄法によって汚染土壌中の重金属含有量の大部分を除去し含有量基準を十分に満足しても,洗浄砂の溶出量が環境基準を超過する場合がある.洗浄砂が溶出量基準を確実に満足するためには,重金属の中で溶出量に関係する化学形態の画分を除去することが必要である.本研究では,日本の汚染土壌で頻出する鉛とフッ素を対象とし,改良BCR逐次抽出法を用いて鉛とフッ素の化学形態を調べた上で,酸洗浄の処理特性を実験的に検討した.酸洗浄は酸濃度を2∼3段階,L/S=2,4の条件で行った.塩酸による鉛抽出量は,硫酸や酢酸よりもかなり大きな値であった.溶出量に関係する形態の鉛やフッ素を抽出し溶出量を大幅に低減するという酸洗浄の最も期待された役割は,鉛に対しては一定の効果があること,フッ素に対しては限定的にしか機能しないことが判明した.
ISSN:1880-6082
DOI:10.2208/jscejg.65.246