外来通院中の全身性エリテマトーデス患者の認知する療養上の困難と関連要因

目的:SLE患者の療養上の困難と関連要因を明らかにする。方法:首都圏の特定機能病院に通院しているSLE患者162名に,16項目の療養上の困難と背景要因についての自記式質問紙調査を実施した。有効回答数116名を分析した。結果:1.対象者の平均年齢は46.8歳,女性が9割以上と性差を認め,罹病期間は5年以上で,就労状況は主婦や非正規社員が多く,特定疾患医療費補助の利用者が多かった。セルフケア行動では,定期受診と服薬の実施率が高くなっていた。   2.療養上の困難は,病気の進行に対する不安や,将来への不安など,病気の不確かさによるものの認知が高くなっていた。療養上の困難の16項目は,因子分析で【療養...

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Published in医療看護研究 Vol. 5; no. 1; pp. 30 - 39
Main Authors 髙谷, 真由美, 田邊, 雅美, 青木, きよ子, 高崎, 芳成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人 順天堂大学医療看護学部 2009
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ISSN1349-8630
2758-5123
DOI10.60254/jhcn.5.1_30

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Summary:目的:SLE患者の療養上の困難と関連要因を明らかにする。方法:首都圏の特定機能病院に通院しているSLE患者162名に,16項目の療養上の困難と背景要因についての自記式質問紙調査を実施した。有効回答数116名を分析した。結果:1.対象者の平均年齢は46.8歳,女性が9割以上と性差を認め,罹病期間は5年以上で,就労状況は主婦や非正規社員が多く,特定疾患医療費補助の利用者が多かった。セルフケア行動では,定期受診と服薬の実施率が高くなっていた。   2.療養上の困難は,病気の進行に対する不安や,将来への不安など,病気の不確かさによるものの認知が高くなっていた。療養上の困難の16項目は,因子分析で【療養に伴う心理的ストレス】【身体症状に伴う苦痛】【外見の変化への戸惑い】【経済・役割上の軋礫】の4因子が抽出された。   3.療養上の困難認知のG-P分析では,トータルスコアおよび4因子において有意差があった。さらに,療接上の困難認知の関連要因としては年齢,性別,症状の有無,QOLがあげられた。考察:患者の療養上の困難認知は特にQOLと強い相関があり,療養上の困難認知の低減をはかることがQOLの維持・向上に必要であることが示唆された。
ISSN:1349-8630
2758-5123
DOI:10.60254/jhcn.5.1_30