I.卒前教育におけるPBLの現状と課題~問題解決能力養成における臨床実習前教育と臨床実習との架け橋となり得るか

PBL(problem-based learning,問題基盤型学習)の教育特性は,臨床問題解決のための推論の基本を形式として学ばせると共に,症例に関連付けて知識を習得させることにある.PBLは,現実の症例の多様性・不確実性のなかで,現実の症例の多様性・不確実性をひとまず脇において,必要な事実が過不足なく埋め込まれたシナリオに基づいた,問題発見・解決訓練である.そのため,その後の臨床や研修で,現実の対象において,この訓練過程を繰り返すことによって,実践的な能力として結実させる必要がある.また,現場での問題解決体験が前提となれば,臨床実習前教育の質向上が期待できる....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 106; no. 12; pp. 2523 - 2528
Main Author 小田, 康友
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.12.2017
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.106.2523

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Summary:PBL(problem-based learning,問題基盤型学習)の教育特性は,臨床問題解決のための推論の基本を形式として学ばせると共に,症例に関連付けて知識を習得させることにある.PBLは,現実の症例の多様性・不確実性のなかで,現実の症例の多様性・不確実性をひとまず脇において,必要な事実が過不足なく埋め込まれたシナリオに基づいた,問題発見・解決訓練である.そのため,その後の臨床や研修で,現実の対象において,この訓練過程を繰り返すことによって,実践的な能力として結実させる必要がある.また,現場での問題解決体験が前提となれば,臨床実習前教育の質向上が期待できる.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.106.2523