低出力レーザー照射による培養ヒト末稍血リンパ球の幼若化機能促進について

本研究では, 培養ヒト末梢血リンパ球の幼若化機能における2種類の低出力レーザーすなわち半導体レーザー (波長900nm, 出力1.5mW) とヘリウムネオンレーザー (波長632.8nm, 出力5,0mW) の照射の効果を比較検討した。ヒト末梢釦リンパ球は, 健康な成人より採血し分離した。末梢血リンパ球をレーザー照射後, マイトジェンで刺激し, 牛胎児血清添加の培養液中で96時間培養した。培養後リンパ球の幼若化機能をプローサイトメトリーで測定した。リンパ球の幼若化機能の分析は, 幼若化率 (SI), 増殖率 (Gr), DNA合成期率の3つを総合的に解析しておこなった。その結果, 半導体レーザ...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 13; no. 4; pp. 3 - 9
Main Authors 山口, 登, 的野, 哲, 岩瀬, 達雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会 1992
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ISSN0288-6200
1881-1639
DOI10.2530/jslsm1980.13.4_3

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Summary:本研究では, 培養ヒト末梢血リンパ球の幼若化機能における2種類の低出力レーザーすなわち半導体レーザー (波長900nm, 出力1.5mW) とヘリウムネオンレーザー (波長632.8nm, 出力5,0mW) の照射の効果を比較検討した。ヒト末梢釦リンパ球は, 健康な成人より採血し分離した。末梢血リンパ球をレーザー照射後, マイトジェンで刺激し, 牛胎児血清添加の培養液中で96時間培養した。培養後リンパ球の幼若化機能をプローサイトメトリーで測定した。リンパ球の幼若化機能の分析は, 幼若化率 (SI), 増殖率 (Gr), DNA合成期率の3つを総合的に解析しておこなった。その結果, 半導体レーザーでは, 0.02J/cm2から0.24J/cm2の照射エネルギーでリンパ球の幼若化機能の促進が著明に見られた。一方ヘリウムネオンレーザーでは, 0.1J/cm2の照射のみ刺激効果を認めた。
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm1980.13.4_3