原因不明のまま治療開始した頭蓋底病変の予後~多発性脳神経障害を呈した感染症を中心に
過去12 年間に当施設で経験した頭蓋底病変による多発性脳神経障害患者 19 例を感染症群11 例と非感染症群8 例に分類し,患者背景,臨床経過,検査所見,治療反応性について比較検討した.糖尿病などの易感染状態や耳鼻科領域感染症が背景にある患者では炎症反応・真菌マーカーの有無にかかわらず真菌感染の可能性を考慮すべきであり,診断確定が困難なばあいは抗真菌剤による診断的治療が必要であった.頭部Gd 造影 MRI は病変の描出に有用だが,質的診断には注意を要した.抗真菌剤は病歴,合併症,薬剤過敏性,髄膜浸潤の有無などの検討から選択され,早期から適切な抗真菌剤の投与を開始することによって予後の改善が期待...
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          | Published in | 臨床神経学 Vol. 53; no. 1; pp. 9 - 18 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本神経学会
    
        01.01.2013
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0009-918X 1882-0654  | 
| DOI | 10.5692/clinicalneurol.53.9 | 
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| Summary: | 過去12 年間に当施設で経験した頭蓋底病変による多発性脳神経障害患者 19 例を感染症群11 例と非感染症群8 例に分類し,患者背景,臨床経過,検査所見,治療反応性について比較検討した.糖尿病などの易感染状態や耳鼻科領域感染症が背景にある患者では炎症反応・真菌マーカーの有無にかかわらず真菌感染の可能性を考慮すべきであり,診断確定が困難なばあいは抗真菌剤による診断的治療が必要であった.頭部Gd 造影 MRI は病変の描出に有用だが,質的診断には注意を要した.抗真菌剤は病歴,合併症,薬剤過敏性,髄膜浸潤の有無などの検討から選択され,早期から適切な抗真菌剤の投与を開始することによって予後の改善が期待できた. | 
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| ISSN: | 0009-918X 1882-0654  | 
| DOI: | 10.5692/clinicalneurol.53.9 |