3.神経・筋接合部に影響を及ぼす薬物

重症筋無力症(MG)は,神経筋接合部の後シナプス膜上にある幾つかの標的抗原に対する自己抗体のために,神経筋接合部の刺激伝導が障害される自己免疫疾患であると定義される.今日,MGは自己抗体の種類によって,1)アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性MG,2)筋特異的チロシンキナーゼ(MuSK)抗体陽性MG,そして,前記の抗体が検出されない3)double seronegative MGに分類される.抗AChR抗体は補体介在性運動終板破壊によってMG症状を起こすが,抗MuSK抗体の作用機序は現時点では不明である.ここでは,MGの最近の進歩と,神経筋接合部の影響を及ぼす薬物に焦点を当てて概説する....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 96; no. 8; pp. 1604 - 1607
Main Authors 本村, 政勝, 吉村, 俊朗, 辻畑, 光宏, 白石, 裕一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2007
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.96.1604

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Summary:重症筋無力症(MG)は,神経筋接合部の後シナプス膜上にある幾つかの標的抗原に対する自己抗体のために,神経筋接合部の刺激伝導が障害される自己免疫疾患であると定義される.今日,MGは自己抗体の種類によって,1)アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性MG,2)筋特異的チロシンキナーゼ(MuSK)抗体陽性MG,そして,前記の抗体が検出されない3)double seronegative MGに分類される.抗AChR抗体は補体介在性運動終板破壊によってMG症状を起こすが,抗MuSK抗体の作用機序は現時点では不明である.ここでは,MGの最近の進歩と,神経筋接合部の影響を及ぼす薬物に焦点を当てて概説する.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.96.1604