POV-Rayによる雷シミュレーションの3次元可視化

名古屋大学地球水循環研究センターでは雲解像モデル CReSS に雷放電プロセスの組み込みを行っている.雷放電には3次元電荷分布の再現が必要で,これには霰や氷晶など積乱雲内の凝結物質の分布が密接に関わっている.落雷位置だけでなく,電荷や凝結物質の分布や放電路について,その再現性を評価するためには,3次元的な図を利用することは非常に有用である.本稿では3次元可視化のためのソフトウェアとして POV-Ray を用いて3次元図の作成を行った.その結果,シミュレーションされた電荷分布は3極構造を示し観測とよく一致していた.落雷についても極性の比が観測とよく対応していた.また,交差法を用いた立体視画像の作...

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Published in可視化情報学会誌 Vol. 34; no. 135; pp. 10 - 15
Main Author 加藤, 雅也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 可視化情報学会 2014
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ISSN0916-4731
1884-037X
DOI10.3154/jvs.34.10

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Summary:名古屋大学地球水循環研究センターでは雲解像モデル CReSS に雷放電プロセスの組み込みを行っている.雷放電には3次元電荷分布の再現が必要で,これには霰や氷晶など積乱雲内の凝結物質の分布が密接に関わっている.落雷位置だけでなく,電荷や凝結物質の分布や放電路について,その再現性を評価するためには,3次元的な図を利用することは非常に有用である.本稿では3次元可視化のためのソフトウェアとして POV-Ray を用いて3次元図の作成を行った.その結果,シミュレーションされた電荷分布は3極構造を示し観測とよく一致していた.落雷についても極性の比が観測とよく対応していた.また,交差法を用いた立体視画像の作成も行った.立体視をすることで,より奥行きを感じることができ,現象の理解への手助けとなることが示された.
ISSN:0916-4731
1884-037X
DOI:10.3154/jvs.34.10