胆管炎による敗血症性ショックを呈した1歳4カ月の先天性胆道拡張症の1例
症例は1歳4カ月の女児で,1カ月前から黄疸と灰白色の軟便が認められていた.感冒症状で近医を受診した際に,肝内および肝外胆管の拡張を指摘され当科紹介となった.CTで肝内胆管の拡張と腹腔内を占める径11cmに拡張した総胆管が認められ,戸谷分類IV-A型の先天性胆道拡張症と診断した.その後,胆管炎による敗血症を引き起こし,Tチューブを用いた胆管外瘻造設術を要した.全身状態の改善後に拡張胆管切除,肝管空腸吻合術を施行した.術後経過良好で根治手術後15日目に退院した.巨大な嚢腫型の先天性胆道拡張症では,胆汁うっ滞による胆管炎を併発すると重篤となる場合があり,胆道ドレナージは炎症状態のコントロールと拡張胆...
Saved in:
| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 3; pp. 618 - 624 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
2016
|
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.77.618 |
Cover
| Summary: | 症例は1歳4カ月の女児で,1カ月前から黄疸と灰白色の軟便が認められていた.感冒症状で近医を受診した際に,肝内および肝外胆管の拡張を指摘され当科紹介となった.CTで肝内胆管の拡張と腹腔内を占める径11cmに拡張した総胆管が認められ,戸谷分類IV-A型の先天性胆道拡張症と診断した.その後,胆管炎による敗血症を引き起こし,Tチューブを用いた胆管外瘻造設術を要した.全身状態の改善後に拡張胆管切除,肝管空腸吻合術を施行した.術後経過良好で根治手術後15日目に退院した.巨大な嚢腫型の先天性胆道拡張症では,胆汁うっ滞による胆管炎を併発すると重篤となる場合があり,胆道ドレナージは炎症状態のコントロールと拡張胆管切離にとって有効と考えられた. |
|---|---|
| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.77.618 |