内視鏡下鼻内副鼻腔手術のピットフォール 内視鏡下鼻内副鼻腔手術のピットフォール

「1. 内視鏡下鼻内副鼻腔手術の現状と問題点」内視鏡下鼻内副鼻腔手術 (Endoscopic Sinus Surgery ; 以下ESS) は, 副鼻腔炎はもとより嚢胞や腫瘍あるいは周辺臓器の疾患に対しても第一選択の術式とされ, 全国のさまざまな医療機関で施行されている. 一方でESS施行中には, 頭蓋損傷や眼窩損傷など副損傷が生じうる. 特に眼窩損傷は2~3%程度あるいはヒヤリ・ハットを含めればそれ以上の症例で発生しており, 看過できない状況にあると考える. 本講演では, 安全かつ有効なESSを行うために知っておきたいピットフォールについて解説する. 「2. 手術前にすべきこととそのピットフ...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 121; no. 8; pp. 1125 - 1127
Main Author 鴻, 信義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.08.2018
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.121.1125

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Summary:「1. 内視鏡下鼻内副鼻腔手術の現状と問題点」内視鏡下鼻内副鼻腔手術 (Endoscopic Sinus Surgery ; 以下ESS) は, 副鼻腔炎はもとより嚢胞や腫瘍あるいは周辺臓器の疾患に対しても第一選択の術式とされ, 全国のさまざまな医療機関で施行されている. 一方でESS施行中には, 頭蓋損傷や眼窩損傷など副損傷が生じうる. 特に眼窩損傷は2~3%程度あるいはヒヤリ・ハットを含めればそれ以上の症例で発生しており, 看過できない状況にあると考える. 本講演では, 安全かつ有効なESSを行うために知っておきたいピットフォールについて解説する. 「2. 手術前にすべきこととそのピットフォール」「1) 診断」術前に内視鏡や画像で手術対象となる病変が炎症なのか腫瘍なのか, 正確に診断しておく. 例えば鼻茸と思い込んでいても実際には乳頭腫など腫瘍性病変だったということに術中に気付く, あるいは術後になって判明することは決して少なくない.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.121.1125