ジメチルスルフィド分解用NiO/γ-Al2O3触媒の活性サイトの局所構造解析—X線吸収分光分析を用いたNi種の硫化挙動

含浸法により調製したNiO/γ-Al2O3触媒を用いたジメチルスルフィド(以下DMS)の分解反応プロセスにおけるNi種の微細構造変化の検討を行った。調製触媒の焼成および硫化条件が触媒性能に影響を及ぼした。反応前に行う硫化処理として,H2Sで硫化した場合の方がDMSで硫化した場合と比較して分解性能が高くなった。XRD,XPS分析から活性点はNiSであることが類推された。さらに,硫化処理前後のNi種の微細構造変化をin-situ XASにより分析した結果,500 ℃焼成触媒ではNi種がNiOとNiAl2O4として約4 : 6の比で存在しており,硫化処理によって主にNiOがNiSへと硫化され,DMS...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 63; no. 6; pp. 365 - 374
Main Authors 霜田, 直宏, 小出, 奈央, 張, 晋, 本間, 徹生, 中野, 武雄, 里川, 重夫, 脇田, 英延
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 石油学会 01.11.2020
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ISSN1346-8804
1349-273X
DOI10.1627/jpi.63.365

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Summary:含浸法により調製したNiO/γ-Al2O3触媒を用いたジメチルスルフィド(以下DMS)の分解反応プロセスにおけるNi種の微細構造変化の検討を行った。調製触媒の焼成および硫化条件が触媒性能に影響を及ぼした。反応前に行う硫化処理として,H2Sで硫化した場合の方がDMSで硫化した場合と比較して分解性能が高くなった。XRD,XPS分析から活性点はNiSであることが類推された。さらに,硫化処理前後のNi種の微細構造変化をin-situ XASにより分析した結果,500 ℃焼成触媒ではNi種がNiOとNiAl2O4として約4 : 6の比で存在しており,硫化処理によって主にNiOがNiSへと硫化され,DMS分解反応の活性点となることが明らかとなった。一方,800 ℃焼成触媒ではNi種がほぼすべてNiAl2O4として存在していた。そのため,硫化後に活性点であるNiS成分の生成量は少なく,800 ℃焼成触媒のDMS分解性能は低かった。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.63.365