群馬大学医学部附属病院におけるロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘(RALP)術の短期成績
【目 的】 群馬大学医学部附属病院では,2014年6月に群馬県で初めてロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘(RALP)を開始し,2018年12月で204例を経験した.短期成績,安全性につき報告する. 【対 象】 2014年6月から2017年12月までのRALP153例. 【成 績】 神経温存108例,リンパ節郭清(LND)81例,全例に間接鼠径ヘルニア予防法を行った.POD6膀胱造影でのリーク率99.3%,POD7退院率94.8%.術中の直腸,尿管,閉鎖神経,大血管損傷.膀胱縫縮必要率13.1%.再入院に小腸穿孔疑い例あり保存的に改善.尿閉,症候性リンパ嚢胞.術後に鼠径ヘルニアを5例(3%)に認め手...
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Published in | 北関東医学 Vol. 70; no. 2; pp. 83 - 94 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
01.05.2020
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Subjects | |
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ISSN | 1343-2826 1881-1191 |
DOI | 10.2974/kmj.70.83 |
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Summary: | 【目 的】 群馬大学医学部附属病院では,2014年6月に群馬県で初めてロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘(RALP)を開始し,2018年12月で204例を経験した.短期成績,安全性につき報告する. 【対 象】 2014年6月から2017年12月までのRALP153例. 【成 績】 神経温存108例,リンパ節郭清(LND)81例,全例に間接鼠径ヘルニア予防法を行った.POD6膀胱造影でのリーク率99.3%,POD7退院率94.8%.術中の直腸,尿管,閉鎖神経,大血管損傷.膀胱縫縮必要率13.1%.再入院に小腸穿孔疑い例あり保存的に改善.尿閉,症候性リンパ嚢胞.術後に鼠径ヘルニアを5例(3%)に認め手術を行った.切除断端陽性(RM1)率pT2;25/135(18.5%),pT3;10/17(58.8%)も,2017年ではpT2;2/39例(5.1%)と改善し,直近ではpT3症例でも減少しつつあった.神経温存側でのRM1は2/108例(1.9%).摘出リンパ節数の中央値は16個で,転移を3例に認めた.PSA非再発率は12か月89.9%,24か月83.6%で,RM,GG(2以下vs3以上),生検時PSA値で有意差を認めた.術後の尿禁制は,1,3,6,9,12,24ヶ月で,パット使用;9.4%,31%,57%,69%,70%,81%,パット1枚/日まで使用;56%,86%,93%,95%,95%,93%で,神経温存群,摘出前立腺重量の少ない群,70歳未満で早期にパットとなる割合が有意に高かった. 【結 論】 当院では,RALPを安全に導入し,標準的な短期成績を得られたものと思われた.また,被膜外浸潤など広範囲切除が必要な例の結果改善のため,術者育成のためなど,今後も安全に経験を積み重ねていく必要があると思われる. |
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ISSN: | 1343-2826 1881-1191 |
DOI: | 10.2974/kmj.70.83 |