当院における訪問リハビリテーションを用いた学生指導(第2報)

【はじめに】  近年、理学療法士の職域は社会的ニーズの高まりにより、医療のみならず福祉やスポーツ、健康産業などの分野にまで及んでいる。このような状況を踏まえ、臨床実習において病院外での理学療法士の活動を体験することでより幅広い視野と考え方を学習するために、当院では平成15年度より長期臨床実習において、新たなカリキュラムとして訪問リハビリテーション(以下訪問リハ)を取り入れた学生指導を実施している。平成16年熊本県理学療法学会にて第1報を発表し、今後の課題として多くの学生に訪問リハを経験させたいと述べた。そのため平成17年度より実習方法を変更し、より多くの学生に訪問リハを経験させることが出来た。...

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Bibliographic Details
Published in九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 Vol. 2008; p. 200
Main Authors 京極, 大樹, 大脇, 秀一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州理学療法士・作業療法士合同学会 2008
Joint Congress of Physical Therapist and Occupational Therapist in Kyushu
Subjects
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ISSN0915-2032
2423-8899
DOI10.11496/kyushuptot.2008.0.200.0

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Summary:【はじめに】  近年、理学療法士の職域は社会的ニーズの高まりにより、医療のみならず福祉やスポーツ、健康産業などの分野にまで及んでいる。このような状況を踏まえ、臨床実習において病院外での理学療法士の活動を体験することでより幅広い視野と考え方を学習するために、当院では平成15年度より長期臨床実習において、新たなカリキュラムとして訪問リハビリテーション(以下訪問リハ)を取り入れた学生指導を実施している。平成16年熊本県理学療法学会にて第1報を発表し、今後の課題として多くの学生に訪問リハを経験させたいと述べた。そのため平成17年度より実習方法を変更し、より多くの学生に訪問リハを経験させることが出来た。今回その実施方法と訪問リハを経験した学生に対してアンケートを行ったので合わせて報告する。 【対象及び方法】 平成15年度~19年度当院にて長期臨床実習中訪問リハを経験した実習生37人を対象とした。その内訳は理学療法学科27名・作業療法学科4名・言語聴覚学科6名(男性15名・女性22名、平均年齢24.7歳)であった。実施時期は実習第4~6週目に設定し、訪問前に実習内容や目的・学習すべき点を説明する。1回の訪問に学生を3~4人同行するため事前に十分利用者・家族に説明し同意を得ておく。終了後感想文を学生に依頼し、それを元にフィードバックを全員で行う。その後アンケートを提出し訪問リハによる実習を終了する。アンケートの項目は、1)訪問リハに対するイメージ 2)訪問リハを行ってよかった点 3)訪問リハを行って苦労した点 4)今後訪問リハをやってみたいか?及びその理由である。 【結果及び考察】 実習方法変更前は2年間で11名(平均5.5名/年)であったが、変更後は3年間で23名(平均7.7名/年)と訪問リハを経験した学生の増加が認められる。アンケートの結果から実習期間や時期における回答内容のばらつきは少なく、むしろ学生個々の資質や能力、興味がアンケート結果に影響している。また学生37名中36名が就職後訪問リハをやってみたいと回答している。アンケートの内容から退院後の生活イメージや家族・地域との関わりといった院内の実習では困難な領域の学習が出来ていると考えられる。院内における急性期や回復期リハビリテーションと訪問リハの両者を実習カリキュラムとして併用することで、よりリアルに入院から在宅生活といった一連の流れを体験・経験することができるのではないかと考えられる。
Bibliography:200
ISSN:0915-2032
2423-8899
DOI:10.11496/kyushuptot.2008.0.200.0