締固め時の含水比がつくりだす土の構造変化と透水特性

土の締固め曲線に対する透水特性やせん断特性の関係はよく知られているが,そのメカニズムについては明確に説明されているとは言い難い。その理由として,これまで間隙構造(間隙径分布)を正確に評価することが困難だったことにある。本論文は,水分特性曲線より求められる間隙径分布の物理的根拠を明らかにするとともに,高精度の試験及び水分特性曲線より求めた間隙径分布を用いて土の構造を定量的に評価することを可能にした。これにより締固め時の含水比によって変化する土の間隙構造の変化を定量評価し,締固め曲線と透水特性のメカニズムを明らかにしている。また本結果は,不飽和な砂質土を締め固めた後に飽和して試験する場合,結果に与...

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Published in地盤工学ジャーナル Vol. 19; no. 2; pp. 197 - 210
Main Author 杉井, 俊夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 地盤工学会 01.06.2024
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ISSN1880-6341
DOI10.3208/jgs.19.197

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Summary:土の締固め曲線に対する透水特性やせん断特性の関係はよく知られているが,そのメカニズムについては明確に説明されているとは言い難い。その理由として,これまで間隙構造(間隙径分布)を正確に評価することが困難だったことにある。本論文は,水分特性曲線より求められる間隙径分布の物理的根拠を明らかにするとともに,高精度の試験及び水分特性曲線より求めた間隙径分布を用いて土の構造を定量的に評価することを可能にした。これにより締固め時の含水比によって変化する土の間隙構造の変化を定量評価し,締固め曲線と透水特性のメカニズムを明らかにしている。また本結果は,不飽和な砂質土を締め固めた後に飽和して試験する場合,結果に与える締固め時の含水比の影響を示唆するものである。
ISSN:1880-6341
DOI:10.3208/jgs.19.197