irSIRモデルに基づいたSNS情報拡散に関する一考察

本論文では,感染症の簡便な数理モデルの一つであるSIRモデルをSNS上での情報拡散に拡張したirSNSモデルを用いて,情報拡散モデルの解析解を求めると共に,基本的な性質について検証する.具体的には,irSIRモデルに関する陰的な表記である積分方程式を求め,情報拡散率に係るパラメータに対する情報拡散の様態の変化を調べる.また,最終規模方程式の解とアクティブユーザーの極大値について,情報拡散率に関する依存性を調べる.さらに,アクティブユーザーの極大値の情報拡散率に対する比から情報拡散効率を定義し,その情報拡散率に対する依存性を調べ,最適な情報拡散率の存在を示す.引き続き,潜在的非ユーザー(非ユーザ...

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Published in日本シミュレーション学会論文誌 Vol. 16; no. 1; pp. 1 - 9
Main Author 中川, 匡弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本シミュレーション学会 2024
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ISSN1883-5031
1883-5058
DOI10.11308/tjsst.16.1

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Summary:本論文では,感染症の簡便な数理モデルの一つであるSIRモデルをSNS上での情報拡散に拡張したirSNSモデルを用いて,情報拡散モデルの解析解を求めると共に,基本的な性質について検証する.具体的には,irSIRモデルに関する陰的な表記である積分方程式を求め,情報拡散率に係るパラメータに対する情報拡散の様態の変化を調べる.また,最終規模方程式の解とアクティブユーザーの極大値について,情報拡散率に関する依存性を調べる.さらに,アクティブユーザーの極大値の情報拡散率に対する比から情報拡散効率を定義し,その情報拡散率に対する依存性を調べ,最適な情報拡散率の存在を示す.引き続き,潜在的非ユーザー(非ユーザー)の規模の初期値に対するそれぞれの非ユーザーとノンアクティブユーザーの最終値の依存性について議論し,より効率的な情報拡散の条件について議論する.また,競合するSNSの出現等の外部要因により情報拡散率が一時低下した場合について,実測データとの比較を交えながらシミュレートする.
ISSN:1883-5031
1883-5058
DOI:10.11308/tjsst.16.1