小児期肝臓移植術後10年以上の経過転帰と問題点 胆道閉鎖症・代謝性疾患を中心に

【はじめに】藤田医科大学(以下、当院)では、当院での生体肝移植後患者に加え、名古屋市立大学附属病院(以下、名市大)で生体肝移植が行われた患者を引き継ぎ、フォローを行なっている。【方法】小児期(18歳未満)に肝臓移植を受け移植後10年以上経過した症例について電子カルテから情報を収集し、転帰、社会生活状況などを中心に調査した。【結果】名市大では全54例のうち小児は45例で最終転帰は生存23例、死亡15例、転帰不明7例であった。生存例のうち10例は他院フォローとなっていた。理由は主治医の異動のため4例、転居によるもの4例、合併症による治療のため2例であった。当院全47例のうち小児は31例で最終転帰は...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 58; no. Supplement; p. s175_2
Main Authors 村山, 美佳, 近藤, 靖浩, 井上, 幹大, 直江, 篤樹, 土屋, 智寛, 渡邉, 俊介, 安井, 稔博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2023
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.58.Supplement_s175_2

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Summary:【はじめに】藤田医科大学(以下、当院)では、当院での生体肝移植後患者に加え、名古屋市立大学附属病院(以下、名市大)で生体肝移植が行われた患者を引き継ぎ、フォローを行なっている。【方法】小児期(18歳未満)に肝臓移植を受け移植後10年以上経過した症例について電子カルテから情報を収集し、転帰、社会生活状況などを中心に調査した。【結果】名市大では全54例のうち小児は45例で最終転帰は生存23例、死亡15例、転帰不明7例であった。生存例のうち10例は他院フォローとなっていた。理由は主治医の異動のため4例、転居によるもの4例、合併症による治療のため2例であった。当院全47例のうち小児は31例で最終転帰は生存24例、死亡3例、転帰不明4例であった。全死亡症例のうち10年以上の経過の後に亡くなったのは2例で1例はドナー由来のB型肝炎の再発とPTLDを合併し、もう1例は自己免疫性肝炎様の状態となり肝不全のため他院で亡くなっていた。また、生存例48例のうち胆道閉鎖症は30例で最長観察期間は32年であった(社会生活状況:就職15例、無職3例、大学1例、高校7例、支援級2例、不明2例)。代謝性疾患は7例で最長観察期間は22年であった(社会生活状況:就職1例、アルバイト1例、事業所通所2例、高校3例)。また妊娠・出産を経験していたのは2例であった。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.Supplement_s175_2