臓器移植の普及啓発における市民公開講座の効果

【目的】臓器移植の啓発を目的とした「市民公開講座」の社会実装介入とし、その介入による効果を検証する。【方法】公開講座の参加者を対象としたアンケート調査を行い、講座前後での参加者の態度や意識の変化について評価した。講座の構成は、臓器移植レシピエントあるいは臓器提供ドナー家族からのセミナーに加えて、臓器移植を市民の視点で考える公開討論を採用した。【結果】参加者48名のアンケートを回収した。属性は年齢30~50歳代が約7割を占め、職業では医療従事者が35%であった。臓器提供に関する行動変容ステージを、1関心、2関心あり、3意思決定、4意思表示の4段階に定義し、その回答率をみると「関心」は認めず、「関...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 58; no. Supplement; p. s250_3
Main Authors 小船戸, 康英, 芳賀, 淳一郎, 丸橋, 繁, 木村, 隆, 石亀, 輝英, 瓜生原, 葉子, 東, 孝泰, 見城, 明, 月田, 茂之, 佐藤, 直哉, 武藤, 亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2023
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.58.Supplement_s250_3

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Summary:【目的】臓器移植の啓発を目的とした「市民公開講座」の社会実装介入とし、その介入による効果を検証する。【方法】公開講座の参加者を対象としたアンケート調査を行い、講座前後での参加者の態度や意識の変化について評価した。講座の構成は、臓器移植レシピエントあるいは臓器提供ドナー家族からのセミナーに加えて、臓器移植を市民の視点で考える公開討論を採用した。【結果】参加者48名のアンケートを回収した。属性は年齢30~50歳代が約7割を占め、職業では医療従事者が35%であった。臓器提供に関する行動変容ステージを、1関心、2関心あり、3意思決定、4意思表示の4段階に定義し、その回答率をみると「関心」は認めず、「関心がある」が46%と最も多く、「意思表示を行っている」が36%であった。公開講座前後での変化では、「関心があるが、臓器提供する/しないは考えていない」の回答率が23%から12.2%に減少し、「意思決定している」の回答率が増加した。また、臓器提供の意思では「臓器提供したい」が増加し、臓器移植に対するイメージでは、「身近に感じる」「誇りに感じる」という回答が増加し、「不安に感じる」が減少した。【結語】実施した「公開講座」は聴講者の臓器移植に対するイメージや臓器提供の意思を変化させ、臓器提供の行動ステージの変容に一定の効果があったものと考えられる。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.Supplement_s250_3