認定レシピエント移植コーディネーター(RTC)の後進育成

認定制度開始以後10年を過ぎ、現在約150名のRTCがいるが、資格取得者数も減少しており後進育成は課題である。要因としては施設基準にRTCの配置が謳われているが医療界・院内におけるRTCの認知度は低く、業務が多岐にわたるRTCは業務過多というイメージが強いことや、疲弊や移植と関係のない部署異動による役割遂行の中断等が考えられる。また在院日数短縮化により外来看護の充実が求められ外来での限られた時間での関わりなど後進教育の環境の変化等も挙げられる。 当院では4人目がRTC取得を希望しているが、現在RTC3名で行っている活動とRTC1期生としてまた管理職として、これまで取り組んできた後進育成について...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s192_2
Main Author 河野, 恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2022
The Japan Society for Transplantation
Online AccessGet full text
ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.57.Supplement_s192_2

Cover

More Information
Summary:認定制度開始以後10年を過ぎ、現在約150名のRTCがいるが、資格取得者数も減少しており後進育成は課題である。要因としては施設基準にRTCの配置が謳われているが医療界・院内におけるRTCの認知度は低く、業務が多岐にわたるRTCは業務過多というイメージが強いことや、疲弊や移植と関係のない部署異動による役割遂行の中断等が考えられる。また在院日数短縮化により外来看護の充実が求められ外来での限られた時間での関わりなど後進教育の環境の変化等も挙げられる。 当院では4人目がRTC取得を希望しているが、現在RTC3名で行っている活動とRTC1期生としてまた管理職として、これまで取り組んできた後進育成について紹介する。決して恵まれた環境とは言えないが自身の振り返りも含め、やりがいを感じること、自身のキャリア形成に組み込めること、施設を超えた支え合えるネットワークも刺激となり、モチベーション維持につながり今日に至っている。 今後は施設内に留まらない、指導ツールや指導内容・知識の共有化を図ることで後進の負担軽減や移植医療の向上に寄与できると考える。そのためには組織的なRTCネットワーク構築や教育・管理の支援体制が必要と考える。それによりRTCの認知度が向上し、時間の確保や業務負担の軽減につながり、RTC希望者増員へと好循環するのではないか。さらには自己管理や長期生着に貢献できているというRTCの存在意義を明らかにし、国が目指すCKD医療への貢献に繋げるべきである。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.Supplement_s192_2