ArガスクラスターイオンによるLIB負極上のSEI被膜のXPS深さ方向分析

LIB(Lithium Ion Battery)はモバイル機器や電気自動車など様々なところで用いられている.LIBの電池性能は,負極上に生成されるSEI(Solid Electrolyte Interphase)被膜に大きく左右される.SEI被膜は初回充電時に,負極上にナノメートルオーダーの厚みで生成されることが知られている. SEI被膜はLIBの充放電に必要不可欠なものであるが,必要以上に厚みが増すと電池性能の低下につながる.このため,LIBのさらなる性能向上には,SEI被膜の構造を解析し,SEI被膜を制御することが重要である.本稿では,LIBグラファイト負極表面に生成されたSEI被膜をAr...

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Published inJournal of Surface Analysis Vol. 30; no. 1; pp. 44 - 51
Main Author 渡邉, 俊祐
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 表面分析研究会 07.08.2023
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ISSN1341-1756
1347-8400
DOI10.1384/jsa.30.44

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Summary:LIB(Lithium Ion Battery)はモバイル機器や電気自動車など様々なところで用いられている.LIBの電池性能は,負極上に生成されるSEI(Solid Electrolyte Interphase)被膜に大きく左右される.SEI被膜は初回充電時に,負極上にナノメートルオーダーの厚みで生成されることが知られている. SEI被膜はLIBの充放電に必要不可欠なものであるが,必要以上に厚みが増すと電池性能の低下につながる.このため,LIBのさらなる性能向上には,SEI被膜の構造を解析し,SEI被膜を制御することが重要である.本稿では,LIBグラファイト負極表面に生成されたSEI被膜をArガスクラスターイオンで深さ方向に分析した事例を紹介する.また,同一試料をAr単原子イオンで深さ方向に分析した場合に生じる,SEI被膜の構造破壊についても事例を紹介する.
ISSN:1341-1756
1347-8400
DOI:10.1384/jsa.30.44