PSVTstormに対してPCPSを含む集学的治療にて急性期脱却に成功し,カテーテルアブレーションにて根治し得た1例
症例は77歳男性.来院3か月前よりCOPDの診断で近医にてテオフィリン内服開始となった.今回,心不全にて救急搬送.来院時より心拍数170/分のshortRPtachycardia(SVT)が持続.電気的除細動での停止後もすぐに頻拍再燃し,いかなる薬物治療でもSVTstormの抑制が困難であった.頻拍持続にて循環動態破綻し,PCPSによる補助循環を要した.一方で来院時のテオフィリン血中濃度異常高値が判明し,SVTstormの原因としてテオフィリン中毒も一因と考え,補助循環・鎮静に加えて薬物中毒に対する持続血液濾過透析を行ったところstormがようやく収束.集学的治療にて急性期脱却が可能であり,待...
Saved in:
Published in | Shinzo Vol. 49; no. SUPPL.1; p. S1_189 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
28.08.2017
Japan Heart Foundation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.49.S1_189 |
Cover
Summary: | 症例は77歳男性.来院3か月前よりCOPDの診断で近医にてテオフィリン内服開始となった.今回,心不全にて救急搬送.来院時より心拍数170/分のshortRPtachycardia(SVT)が持続.電気的除細動での停止後もすぐに頻拍再燃し,いかなる薬物治療でもSVTstormの抑制が困難であった.頻拍持続にて循環動態破綻し,PCPSによる補助循環を要した.一方で来院時のテオフィリン血中濃度異常高値が判明し,SVTstormの原因としてテオフィリン中毒も一因と考え,補助循環・鎮静に加えて薬物中毒に対する持続血液濾過透析を行ったところstormがようやく収束.集学的治療にて急性期脱却が可能であり,待機的にRFCAを施行した.EPSにて三尖弁輪側壁に逆行性の潜在性副伝導路を認め,同副伝導路を介する正方向性AVRTと診断し,通電にて根治に成功した.今回のような上室性不整脈が循環動態を破綻するstormとなる症例は稀と考えられ,報告する. |
---|---|
ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.49.S1_189 |