小児生体肝移植術後の腎機能評価としてイヌリンクリアランスの検討

【目的】イヌリンクリアランス検査(以下、ICtest)を実施し、小児の糸球体濾過量予測値と比較することで今後の腎機能評価において注意すべき点を検討することを目的とした。【対象と方法】2004年6月から2020年12月までに藤田医科大学病院で生体肝移植術を実施した15歳以下の小児患者を対象とした。対象患児にICtestを実施し、得られた糸球体濾過量(以下GFR: glomerular filtration ratio, ml/min/1.73m2)の結果を血清クレアチニン(以下、Cre)および血清シスタチンC(以下、CysC)による日本人小児の予測GFR、Schwartzの推算式で得られた予測G...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s330_3
Main Authors 井上, 幹大, 近藤, 靖浩, 渡邉, 俊介, 安井, 稔博, 直江, 篤樹, 鈴木, 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2022
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.57.Supplement_s330_3

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Summary:【目的】イヌリンクリアランス検査(以下、ICtest)を実施し、小児の糸球体濾過量予測値と比較することで今後の腎機能評価において注意すべき点を検討することを目的とした。【対象と方法】2004年6月から2020年12月までに藤田医科大学病院で生体肝移植術を実施した15歳以下の小児患者を対象とした。対象患児にICtestを実施し、得られた糸球体濾過量(以下GFR: glomerular filtration ratio, ml/min/1.73m2)の結果を血清クレアチニン(以下、Cre)および血清シスタチンC(以下、CysC)による日本人小児の予測GFR、Schwartzの推算式で得られた予測GFRとそれぞれに対しBland-Altman plotを用いて統計学的に比較した。【結果】12名に実施した。ICtestによるGFRが90を下回っていたのは6例であった。予測GFRとICtestによるGFRにはそれぞれ相関を認めた。【結語】予測式はいずれもICtestとの相関を認めた。日本人予測式でのGFRにおいてCre, CysCのいずれかが100を下回る症例はICtestでは90を下回っている可能性が高そうであった。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.Supplement_s330_3