腎移植後透析再導入時の腎代替療法選択について

【目的】腎移植後患者における腎代替療法選択について検討した。【方法】当院で2009年以降、移植後フォローしていた203例中、19例が末期腎不全に至った。この症例群について、患者背景、移植腎廃絶理由、療法選択方法、選択理由、献腎登録の有無を検討した。【結果】2021年4月、腎代替療法選択外来開設後に共同意思決定(SDM)を用い説明を行なったのは19例中8例、それ以前は医師・透析認定看護師・移植コーディネーターより3療法についての説明を行った。移植腎廃絶理由は、拒絶反応が11例、その他8例だった。再療法選択の結果は腎移植3例、透析が16例でその内の9例は移植の希望があり、3例がブリッジの透析で6例...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 58; no. Supplement; p. s287_2
Main Authors 小松, 夏実, 若林, マリア, 山崎, 奈美恵, 三浦, 正義, 福本, 麻衣子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2023
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.58.Supplement_s287_2

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Summary:【目的】腎移植後患者における腎代替療法選択について検討した。【方法】当院で2009年以降、移植後フォローしていた203例中、19例が末期腎不全に至った。この症例群について、患者背景、移植腎廃絶理由、療法選択方法、選択理由、献腎登録の有無を検討した。【結果】2021年4月、腎代替療法選択外来開設後に共同意思決定(SDM)を用い説明を行なったのは19例中8例、それ以前は医師・透析認定看護師・移植コーディネーターより3療法についての説明を行った。移植腎廃絶理由は、拒絶反応が11例、その他8例だった。再療法選択の結果は腎移植3例、透析が16例でその内の9例は移植の希望があり、3例がブリッジの透析で6例が献腎登録を行った。血液透析(HD)は7例、腹膜透析(PD)は9例だった。PDを選んだ理由は、2例が医学的理由でHDは困難、7例はHDより生活の質を保つことができることであった。HDを選んだ理由は、5例は医学的理由により選択、2例が本人希望により選択した。【結語】療法選択した際、現在との生活の変化を最小限にするため、腎移植やPDを選択し生活の質を保つことを重視している傾向があった。移植腎廃絶後の療法選択においては、患者と医療者が医学的情報、患者の価値観や生活スタイルなどを共有し協働で決定していくことが重要である。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.Supplement_s287_2