「腎臓RTCとして臓器移植看護検討会から見えたこと」~移植患者の全体像をCKD看護から看る

レシピエント移植コーディネーター(以下RTCとする)は、移植医療の視点に加え「末期臓器不全患者の全体像」を捉えられる看護の重要性を感じながら活動してきた。そこで多臓器の末期臓器不全看護を実践している部署の看護師から成る臓器移植看護検討会を発足させ、腎臓・心臓・肝臓・生体ドナーを対象とした臓器移植看護基準作成に着手した。今回、各部署が実践する看護が繋がり移植看護を再認識できた活動を腎臓RTCの視点から報告する。RTC、腎移植担当外来、病棟看護師において、それぞれが実践する慢性腎臓病(以下CKD)の看護を語り、腎移植患者の看護を看護基準として可視化した。そして基準を活用するために、何が必要なのかを...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 58; no. Supplement; p. s286_2
Main Authors 坂下, 智珠子, 野口, 文乃, 石井, 大輔, 井村, 夕姫, 中島, 節子, 須田, 篤, 北島, 和樹, 松内, 佳子, 青木, 謙治, 玉木, 陽代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2023
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.58.Supplement_s286_2

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Summary:レシピエント移植コーディネーター(以下RTCとする)は、移植医療の視点に加え「末期臓器不全患者の全体像」を捉えられる看護の重要性を感じながら活動してきた。そこで多臓器の末期臓器不全看護を実践している部署の看護師から成る臓器移植看護検討会を発足させ、腎臓・心臓・肝臓・生体ドナーを対象とした臓器移植看護基準作成に着手した。今回、各部署が実践する看護が繋がり移植看護を再認識できた活動を腎臓RTCの視点から報告する。RTC、腎移植担当外来、病棟看護師において、それぞれが実践する慢性腎臓病(以下CKD)の看護を語り、腎移植患者の看護を看護基準として可視化した。そして基準を活用するために、何が必要なのかを語り合い、互いの看護を共有した。その結果、CKD患者を点で看るのではなく、患者のたどる長期間の流れとして捉えることで、実践する看護の意味を知ることに繋がり、移植患者の全体像をCKD患者として捉えた看護展開が不可欠であることを再認識した。多職種連携の重要性も踏まえ新たに患者フロー作成へと展開した。腎移植を担う各部署の看護を末期臓器不全看護と意味づけ、それが移植看護を担うことに連動する認識を持つ事は重要と考える。検討会での看護の語りは、CKD看護と末期臓器不全看護をつなげる移植看護の再認識、基準化の一助となった。さらにCKD看護を担うRTCの後進育成にも繋がる一歩と考えた。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.Supplement_s286_2