在宅血液透析管理マニュアル改訂の経緯と論点

2010年に作成した「在宅血液透析管理マニュアル」は,在宅血液透析(HHD)患者の増加,多様化に伴い実態にそぐわない部分が出てきた.また高齢者住宅で患者教育を行わず医師不在で透析を行いHHDとして診療報酬を請求する(いわゆる非自己管理型HHD)事例が問題となった.そこで日本透析医会はHHDを施行されている医療者の意見を参考にしながら改定作業を行った.基本的には在宅血液透析の安全性を重視することを大前提とする一方,安全性や治療の合理性を損ねる恐れのある制約は減らすこととした.介助者の必要性については論点となったが,今回は安全性の観点から介助者は必要という結論となった.また非自己管理型HHDについ...

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Published inJournal of Japanese Society for Home Hemodialysis Vol. 3; no. 1; pp. 5 - 10
Main Author 山川 智之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japanese Society for Home Hemodialysis 20.04.2023
一般社団法人 日本在宅血液透析学会
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ISSN2435-2519
DOI10.34505/jshhd.3.1_5

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Summary:2010年に作成した「在宅血液透析管理マニュアル」は,在宅血液透析(HHD)患者の増加,多様化に伴い実態にそぐわない部分が出てきた.また高齢者住宅で患者教育を行わず医師不在で透析を行いHHDとして診療報酬を請求する(いわゆる非自己管理型HHD)事例が問題となった.そこで日本透析医会はHHDを施行されている医療者の意見を参考にしながら改定作業を行った.基本的には在宅血液透析の安全性を重視することを大前提とする一方,安全性や治療の合理性を損ねる恐れのある制約は減らすこととした.介助者の必要性については論点となったが,今回は安全性の観点から介助者は必要という結論となった.また非自己管理型HHDについては,改訂版では本マニュアルでは扱わないと明記し実質的にHHDとしての請求を禁止した.今後も医療技術の進歩も踏まえ関係者と議論を継続しながら, 必要があれば再度のマニュアル改訂も考慮したい.
ISSN:2435-2519
DOI:10.34505/jshhd.3.1_5