脳波による実用的なBMI研究開発

我々は、非侵襲型ブレイン−マシン・インターフェイス(Brain-Machine Interface :BMI)研究を行い、特定の視覚刺激を注視した際に生じるP300様脳波を利用した環境制御システム(Environmental Control System : ECS)を開発している。このBMI-ECSに用いる視覚刺激の強調表示の手法として、これまでの輝度変化に加えて色変化(緑/ 青)を用いることで、使用感および正答率を有意に向上させることに成功した。また、当該課題遂行中のEEG-fMRI 信号を計測したところ、右の頭頂後頭部を中心として、輝度変化に加えて色変化(緑/ 青)を用いたことによる特徴...

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Published in認知神経科学 Vol. 14; no. 3; pp. 185 - 192
Main Author 神作, 憲司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 認知神経科学会 2013
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ISSN1344-4298
1884-510X
DOI10.11253/ninchishinkeikagaku.14.185

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Summary:我々は、非侵襲型ブレイン−マシン・インターフェイス(Brain-Machine Interface :BMI)研究を行い、特定の視覚刺激を注視した際に生じるP300様脳波を利用した環境制御システム(Environmental Control System : ECS)を開発している。このBMI-ECSに用いる視覚刺激の強調表示の手法として、これまでの輝度変化に加えて色変化(緑/ 青)を用いることで、使用感および正答率を有意に向上させることに成功した。また、当該課題遂行中のEEG-fMRI 信号を計測したところ、右の頭頂後頭部を中心として、輝度変化に加えて色変化(緑/ 青)を用いたことによる特徴的な脳活動が見いだされた。さらに、これらのBMI 技術と拡張現実(AugmentedReality : AR)技術を統合させ、AR-BMI 技術を開発した。これにより、操作者の環境を脳からの信号で制御するこれまでのBMI に加えて、代理ロボットを介してリモート環境を制御することをも可能とした。我々は、このBMI-ECSの実用化に向けて、着脱容易で長時間使用可能な脳波電極、独自の脳波計およびシステム(ソフトウェア)等を開発し、これらを用いて臨床研究をすすめている。こうしたBMI 技術をさらに研究開発していくことで、脳からの信号で操作できるインテリジェントハウスへと繋げることも可能であり、麻痺を伴う患者・障害者の活動領域拡張へと貢献していくことが期待できる。
ISSN:1344-4298
1884-510X
DOI:10.11253/ninchishinkeikagaku.14.185