大阪大学における移植心冠動脈病変への取り組み~診断および治療

移植心冠動脈病変(cardiac allograft vasculopathy : CAV)は術後遠隔期の予後を規定する重要な合併症の一つである。当院ではCAVに対し、冠動脈造影に加えて血管内超音波(Intravascular Ultrasound : IVUS)および光干渉断層法(optical coherence tomography : OCT)を用いた冠動脈病変の評価を行ってきた。OCTはIVUSに比して解像度が高く、プラーク形態のより詳細な評価が可能であるが、OCTを用いた解析により、プラーク形態の違いによるドナー由来プラークの進展の差異や、移植後新規発症病変のプラーク性状を明らかに...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 55; no. Supplement; p. 264_2
Main Authors 溝手, 勇, 横井, 研介, 白記, 達也, 久保田, 香, 戸田, 宏一, 大谷, 朋仁, 吉岡, 大輔, 塚本, 泰正, 澤, 芳樹, 坂田, 泰史, 彦惣, 俊吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2020
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.55.Supplement_264_2

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Summary:移植心冠動脈病変(cardiac allograft vasculopathy : CAV)は術後遠隔期の予後を規定する重要な合併症の一つである。当院ではCAVに対し、冠動脈造影に加えて血管内超音波(Intravascular Ultrasound : IVUS)および光干渉断層法(optical coherence tomography : OCT)を用いた冠動脈病変の評価を行ってきた。OCTはIVUSに比して解像度が高く、プラーク形態のより詳細な評価が可能であるが、OCTを用いた解析により、プラーク形態の違いによるドナー由来プラークの進展の差異や、移植後新規発症病変のプラーク性状を明らかにするとともに、血中サイトカインとCAV進展との関連を検討してきた。またCAVに対する経カテーテル的血行再建については従来薬剤性ステント留置術が主流であったが、近年では患者の年齢や病変部位により、薬剤コーティングバルーンや方向性冠動脈粥腫切除術(directional coronary atherectomy : DCA)を用いたステントレスの血行再建も行っている。当院におけるCAVに対する取り組みについて、報告する。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.55.Supplement_264_2