腎移植医療で働くRTC~皆でこれからの10年を変えるために

レシピエント移植コーディネーター(以下RTC)の役割と業務は多岐に渡る。「これが本当に1人で背負う基本業務なのか」と感じる者も多いであろう。さらに腎疾患領域に関わるRTC(以下腎RTC)で言えば、2018年から腎疾患対策の更なる推進として慢性腎臓病(CKD)の重症化予防、CKD患者(透析患者及び腎移植患者を含む)のQOLの維持向上が掲げられ、腎RTCも腎代替療法(以下RRT)選択支援の担い手となり、また来年度の診療報酬改定も鑑み、腎移植の更なる推進のため、専門職種(腎代替療法専門指導士)としてRRTの現場でより対応が重要視されることが予想される。認定制度から10年、目の前の仕事に追われ、いつか...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 56; no. Supplement; p. s467
Main Authors 野口, 文乃, 仲宮, 優子, 石井, 大輔, 吉田, 一成, 河野, 恵, 岩村, 正嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2021
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.56.Supplement_s467

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Summary:レシピエント移植コーディネーター(以下RTC)の役割と業務は多岐に渡る。「これが本当に1人で背負う基本業務なのか」と感じる者も多いであろう。さらに腎疾患領域に関わるRTC(以下腎RTC)で言えば、2018年から腎疾患対策の更なる推進として慢性腎臓病(CKD)の重症化予防、CKD患者(透析患者及び腎移植患者を含む)のQOLの維持向上が掲げられ、腎RTCも腎代替療法(以下RRT)選択支援の担い手となり、また来年度の診療報酬改定も鑑み、腎移植の更なる推進のため、専門職種(腎代替療法専門指導士)としてRRTの現場でより対応が重要視されることが予想される。認定制度から10年、目の前の仕事に追われ、いつかはこの状況が変わって欲しいと願い活動してきた。次のステップとして私たちRTCは、組織や移植医の力に頼るだけではなく、有資格者であることを自覚し、何か動くべき時である。これからの課題は、移植看護・RTC支援の質(エビデンスの蓄積)、後進育成(臨床知の伝承)、社会的役割の推進(学会活動・社会貢献)と考える。しかし臨床の多忙な中、それら全てに取り組むのは非常に困難である。だが何か1つ、各自が今までの経験、知識、技能、興味・価値観などを生かし活動できれば、それがRTC全体の価値に繋がるはずである。社会での地位、認知度がなければ院内体制も動くはずはない。今回、腎RTCとしての取り組み、移植医療に興味を持ち次世代を担うRTCたちへメッセージを送りたい。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.56.Supplement_s467