小児におけるABO血液型不適合生体肝移植の治療成績とrituximab投与量の変遷
目的:当院の小児におけるABO血液型不適合肝移植(ABO-iLDLT)について報告する。方法:対象は2020年12月までに当院で施行した314例の小児生体肝移植中ABO-iLDLTの55例(17.5%)。ABO-iLDLT対策として、抗血液型抗体16倍以下を目標に術前血漿交換を行い、rituximabは2004年1月より2歳以上の症例に投与を開始し、初回から2例は375mg/m2、その後2例は50mg/m2、以後は200mg/m2(9例)を投与し、2014年8月以降は全年齢に200mg/m2(10例)を投与している。結果:ABO-iLDLTとそれ以外の生存率は90.9%と94.8%であった(p...
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| Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 56; no. Supplement; p. s548 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本移植学会
2021
The Japan Society for Transplantation |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
| DOI | 10.11386/jst.56.Supplement_s548 |
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| Summary: | 目的:当院の小児におけるABO血液型不適合肝移植(ABO-iLDLT)について報告する。方法:対象は2020年12月までに当院で施行した314例の小児生体肝移植中ABO-iLDLTの55例(17.5%)。ABO-iLDLT対策として、抗血液型抗体16倍以下を目標に術前血漿交換を行い、rituximabは2004年1月より2歳以上の症例に投与を開始し、初回から2例は375mg/m2、その後2例は50mg/m2、以後は200mg/m2(9例)を投与し、2014年8月以降は全年齢に200mg/m2(10例)を投与している。結果:ABO-iLDLTとそれ以外の生存率は90.9%と94.8%であった(p=0.061)。急性拒絶反応とCMV感染症はそれぞれ38% vs 41%(p=0.82)、54.5% vs 33.6%(p=0.006)であった。rituximab 375mg/m2を投与した2例はPneumocystis肺炎、血球貪食症候群により死亡し、50mg/m2を投与した1例は抗体関連型拒絶反応による多発性肝内胆管狭窄からグラフト不全となり再移植を行った。200mg/m2を投与した19例のレシピエントの5年生存率は100%、グラフト5年生存率は94.7%であり、1例は難治性拒絶反応により再移植を必要とした。結語:小児においても術前脱感作療法によってABO-iLDLTの治療成績は良好である。小児におけるrituximabの至適投与量は200mg/m2であった。 |
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| ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
| DOI: | 10.11386/jst.56.Supplement_s548 |