外科的重症感染症に対する抗生剤と静注用ヒト免疫グロブリン (SM-4300) 併用療法の経験
重症感染症にみられる低及び無ガンマグロブリン血症に対して, ヒト免疫グロブリンと抗生物質の併用が効果があることはすでに認められている。又, 従来から種々の免疫グロブリン製剤が臨床的に使用されてきたが, 今回, 外科的重症感染症に対してイオン交換樹脂処理ヒト免疫グロブリン (SM-4300) を使用する機会を得たので報告する。 従来から種々の静注用ヒト免疫グロブリン製剤の開発が進められ, ペプシン処理ヒト免疫グロブリン, プラスミン処理ヒト免疫グロブリン, スルホ化ヒト免疫グロブリンなどが現在まで使用されてきた。しかし, 酵素処理した製剤は静注緩の半減期が短く, 且つFc活性の喪失のためグロプリ...
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| Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 38; no. 9; pp. 2612 - 2616 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
1985
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| ISSN | 0368-2781 2186-5477 |
| DOI | 10.11553/antibiotics1968b.38.2612 |
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| Summary: | 重症感染症にみられる低及び無ガンマグロブリン血症に対して, ヒト免疫グロブリンと抗生物質の併用が効果があることはすでに認められている。又, 従来から種々の免疫グロブリン製剤が臨床的に使用されてきたが, 今回, 外科的重症感染症に対してイオン交換樹脂処理ヒト免疫グロブリン (SM-4300) を使用する機会を得たので報告する。 従来から種々の静注用ヒト免疫グロブリン製剤の開発が進められ, ペプシン処理ヒト免疫グロブリン, プラスミン処理ヒト免疫グロブリン, スルホ化ヒト免疫グロブリンなどが現在まで使用されてきた。しかし, 酵素処理した製剤は静注緩の半減期が短く, 且つFc活性の喪失のためグロプリンの機能が不充分になる欠点があつた。 SM-4300は米国トラベノール社ハイランド事業部の開発による静注用ヒト免疫グロブリンであり, コーンの低, 温エタノール分画によつて得られたガンマグロブリン分画をイオン交換樹脂DEAEセファデックスで処理することにより, 大分子の凝集体を除去しており, 有効且つ安全であると言われている。 今回, SM-4300研究会 (外科領域) で共通のプロトコールにより, 外科的重症感染症に対して, 抗生剤との併用療法により, 治療効果, 及び安全性と有用性を検討したので, われわれの施設における経験について報告する。 |
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| ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
| DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.38.2612 |