粘膜弁変法と粘膜骨膜弁変法による口蓋形成術後の顎発育について
「緒言」口唇裂口蓋裂は, 上顎骨の先天的・器質的欠損を有するため顎顔面の調和的な成長が障害される. そのため患児の成長発育過程でのさまざまな障害に対して, 適正な時期に各々の治療を行う一貫治療が要求されている1). 特に審美的障害としての口唇破裂や歯列不正, 言語や摂食などの機能障害に関連する要因としての口蓋破裂や歯列不正に対する治療は最も重要である. このような審美的・機能的障害に関与している不正咬合に対しての正常咬合獲得のための治療は, 一貫治療のなかの大きな目的の一つであるが, これは初回口蓋形成術を含めたその後の審美的あるいは機能的回復の管理に寄与していると述べても過言ではない. その...
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| Published in | 小児口腔外科 Vol. 16; no. 2; pp. 150 - 159 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本小児口腔外科学会
25.12.2006
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0917-5261 1884-6661 |
| DOI | 10.11265/poms1991.16.150 |
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| Summary: | 「緒言」口唇裂口蓋裂は, 上顎骨の先天的・器質的欠損を有するため顎顔面の調和的な成長が障害される. そのため患児の成長発育過程でのさまざまな障害に対して, 適正な時期に各々の治療を行う一貫治療が要求されている1). 特に審美的障害としての口唇破裂や歯列不正, 言語や摂食などの機能障害に関連する要因としての口蓋破裂や歯列不正に対する治療は最も重要である. このような審美的・機能的障害に関与している不正咬合に対しての正常咬合獲得のための治療は, 一貫治療のなかの大きな目的の一つであるが, これは初回口蓋形成術を含めたその後の審美的あるいは機能的回復の管理に寄与していると述べても過言ではない. そのため当科での口蓋形成術は, 正常咬合獲得のために, これまでの口蓋粘膜骨膜弁後方移動術から顎発育を考慮した粘膜弁変法2)を採用している. その結果, 顎発育障害が軽減され, 最小限の歯科矯正治療は必要とするが, 比較的良好な咬合関係を保つことが可能となり, 一貫治療の最終目標の一つである正常咬合の獲得に大きく寄与していると考えられる. そこで今回, 粘膜骨膜弁施行症例と粘膜弁変法施行症例の顎発育について比較検討を行ったので報告する. |
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| ISSN: | 0917-5261 1884-6661 |
| DOI: | 10.11265/poms1991.16.150 |