サービス・ラーニングが学習成果に及ぼす効果に関する実証的研究 : 広島経済大学・興動館プロジェクトを事例として

本研究は,日本の高等教育におけるサービス・ラーニングが,学習成果としての「社会参加志向」や「汎用的能力」の獲得に及ぼす効果について,広島経済大学・興動館プロジェクトの実践を事例として,実証的に検討することを目的とする.本研究では,社会参加志向を測定するための尺度を構成し,プロジェクト参加者94名,比較対象として非参加者66名に対して質問紙による縦断的調査を行った.また,質問紙調査の結果を補完するため,プロジェクト参加者5名に対して半構造化面接調査を行った.本研究の結果,社会参加志向は「社会貢献意識」,「社会的有効性意識」,「私生活意識」の3因子から構成され,汎用的能力は「意欲系能力」,「伝達系...

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Published in日本教育工学会論文誌 Vol. 36; no. 2; pp. 69 - 80
Main Authors 木村, 充, 中原, 淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育工学会 2012
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ISSN1349-8290
2189-6453
DOI10.15077/jjet.KJ00008274456

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Summary:本研究は,日本の高等教育におけるサービス・ラーニングが,学習成果としての「社会参加志向」や「汎用的能力」の獲得に及ぼす効果について,広島経済大学・興動館プロジェクトの実践を事例として,実証的に検討することを目的とする.本研究では,社会参加志向を測定するための尺度を構成し,プロジェクト参加者94名,比較対象として非参加者66名に対して質問紙による縦断的調査を行った.また,質問紙調査の結果を補完するため,プロジェクト参加者5名に対して半構造化面接調査を行った.本研究の結果,社会参加志向は「社会貢献意識」,「社会的有効性意識」,「私生活意識」の3因子から構成され,汎用的能力は「意欲系能力」,「伝達系能力」,「論理系能力」の3因子から構成されることが示された.また,興動館プロジェクトに参加した学生は,社会を変革し,影響を及ぼすことができるという「社会的有効性意識」を獲得していることが示された.
ISSN:1349-8290
2189-6453
DOI:10.15077/jjet.KJ00008274456