イオンクロマトグラフィーにおけるユニバーサル検出法
イオンクロマトグラフィーにおける検出では,イオンに対して応答する高感度な溶液導電率法が広く用いられている.溶液導電率法では,当量導電率がイオン種間で異なるため,原則として,測定対象イオンごとの検量線に基づいて定量する必要がある.他の多くの機器分析法においても測定対象物質の標準により校正して定量するが,測定値の精度は標準溶液の安定性,純度,精度に大きく依存する.測定対象物質の標準を必要としない定量法である“ユニバーサル検出法”は,標準を入手できない物質の定量を可能にし,また,簡便な多成分一斉分析を実現できる.イオンクロマトグラフィーでの測定対象は,電荷を持つ溶存イオンであり,電荷均衡を保ったまま...
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          | Published in | Bunseki kagaku Vol. 68; no. 3; pp. 153 - 162 | 
|---|---|
| Main Authors | , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
        Tokyo
          公益社団法人 日本分析化学会
    
        05.03.2019
     Japan Science and Technology Agency  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0525-1931 | 
| DOI | 10.2116/bunsekikagaku.68.153 | 
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| Summary: | イオンクロマトグラフィーにおける検出では,イオンに対して応答する高感度な溶液導電率法が広く用いられている.溶液導電率法では,当量導電率がイオン種間で異なるため,原則として,測定対象イオンごとの検量線に基づいて定量する必要がある.他の多くの機器分析法においても測定対象物質の標準により校正して定量するが,測定値の精度は標準溶液の安定性,純度,精度に大きく依存する.測定対象物質の標準を必要としない定量法である“ユニバーサル検出法”は,標準を入手できない物質の定量を可能にし,また,簡便な多成分一斉分析を実現できる.イオンクロマトグラフィーでの測定対象は,電荷を持つ溶存イオンであり,電荷均衡を保ったまま,他のイオン種に交換可能な化学形である.この特徴的な現象であるイオン交換に基づくユニバーサル検出法が,数多く報告されている.本稿では,これまでに報告されたイオン交換に基づく手法をはじめ,新しいイオンのユニバーサル検出の試みについて紹介する. | 
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| Bibliography: | ObjectType-Article-1 SourceType-Scholarly Journals-1 ObjectType-Feature-2 content type line 14  | 
| ISSN: | 0525-1931 | 
| DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.68.153 |