消化器癌周術期における深部静脈血栓症の経時的発生頻度に関する検討—当院における前向き調査より

要 旨:消化器癌周術期の深部静脈血栓症(DVT)の経時的発生頻度を,超音波検査で前向きに調査した。登録症例は60例で,術前のDVT合併8.3%,術後早期の発生12.7%,3週4.3%,6週6.8%であった。6週までのDVT発生率は21.8%,周術期全体では28.3%であった。術後6週において,根治術35例ではDVT発生はなかったが,非根治術9例では3例に発生した(P=0.0052)。手術による影響は術後早期に強く3週以降で低下したが,非根治術ではより長期の注意が必要である。...

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Published in脈管学 Vol. 53; no. September; pp. 143 - 149
Main Authors 渋谷, 和人, 山下, 巌, 野村, 直樹, 栗田, 修, 小島, 淳夫, 吉田, 貴和子, 真鍋, 高宏, 日野, 浩司, 齊藤, 文良, 山口, 哲司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脈管学会 10.09.2013
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ISSN0387-1126
1880-8840
DOI10.7133/jca.13-00025

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Summary:要 旨:消化器癌周術期の深部静脈血栓症(DVT)の経時的発生頻度を,超音波検査で前向きに調査した。登録症例は60例で,術前のDVT合併8.3%,術後早期の発生12.7%,3週4.3%,6週6.8%であった。6週までのDVT発生率は21.8%,周術期全体では28.3%であった。術後6週において,根治術35例ではDVT発生はなかったが,非根治術9例では3例に発生した(P=0.0052)。手術による影響は術後早期に強く3週以降で低下したが,非根治術ではより長期の注意が必要である。
ISSN:0387-1126
1880-8840
DOI:10.7133/jca.13-00025