極短時間の解剖見学実習における理学療法学生の意識と課題による教育効果の検討
【目的】本校の解剖見学実習は3時間と限られる為、DVD映像、スケッチ、触診を事前の学習で行い実習に臨んだ。本研究では、実習の前後でアンケート調査を、課題としてスケッチと感想文を課した。結果より、学生の意識と極短時間の解剖見学実習に対する取り組み方を検討する事を目的とした。【方法】平成22年度 1年生42名を対象とした。アンケートは実習直前と直後の2回実施した。アンケートは、1)実習にあたって必要とする教材、2)三次元的な身体構造イメージの2項目を調査した。課題スケッチは、最も興味ある部位を、感想文は800字以内の自由記述とし提出させた。感想文の分析は、カテゴリー設定し文章中に該当センテンスがあ...
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| Published in | 関東甲信越ブロック理学療法士学会 Vol. 30; p. 110 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
2011
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0916-9946 2187-123X |
| DOI | 10.14901/ptkanbloc.30.0.110.0 |
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| Summary: | 【目的】本校の解剖見学実習は3時間と限られる為、DVD映像、スケッチ、触診を事前の学習で行い実習に臨んだ。本研究では、実習の前後でアンケート調査を、課題としてスケッチと感想文を課した。結果より、学生の意識と極短時間の解剖見学実習に対する取り組み方を検討する事を目的とした。【方法】平成22年度 1年生42名を対象とした。アンケートは実習直前と直後の2回実施した。アンケートは、1)実習にあたって必要とする教材、2)三次元的な身体構造イメージの2項目を調査した。課題スケッチは、最も興味ある部位を、感想文は800字以内の自由記述とし提出させた。感想文の分析は、カテゴリー設定し文章中に該当センテンスがあれば抽出しグループ化した。本調査の目的およびデータ処理に関するプライバシーの保護について調査対象者に口頭および文書による十分な説明をし、調査対象者から文書による同意を得て実施した。【結果】アンケート結果から、1)教材に関して、実習前後で映像や触診の必要性に変化はみられなかったが、スケッチは42%から60%へと値が変化した。2)三次元的身体構造イメージは、57%から81%へと変化した。また、スケッチ課題は、骨26%・筋24%・関節12%・脳12%・臓器7%・胎児5%・血管5%・未提出9%であった。感想文は、感謝敬意の念を抱いた者69%・三次元的身体構造イメージを理解した者62%・不安抵抗感を抱いた者60%・知識の確認をした者45%・知識不足を感じた者40%・教科書との違いを感じ感動した者33%・医療従事者になる意識をもった者29%・生命の倫理や神秘を感じた者24%であった。【考察】教材としてはスケッチの重要性を理解した学生が多く、実習においても実際に解剖体を見て触れてスケッチ作業を行う事で、神経や血管・筋肉の背腹の位置関係等を詳細に観察する事でより立体的にイメージする学生が増加した。また、触診の仕方を手掛かりに解剖見学を進めている事から、学生なりに臨床を意識し実学を心掛けている事が伺える。この解剖見学実習を通し、人体に携わる職業である事を感じとる機会となり、実学の重要性を認識するきっかけになった事から、極短時間の解剖見学実習でも学生が得るものは十分に大きいと考察する。【まとめ】大切な事はスケッチ課題の中にポイントを気付かせる為の工夫をする事や、触診の仕方など事前に手がかりとなる興味ある情報を学生に提供しておく事である。 |
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| Bibliography: | O2-17-110 |
| ISSN: | 0916-9946 2187-123X |
| DOI: | 10.14901/ptkanbloc.30.0.110.0 |