変形性関節症に対するTS-110の臨床評価 ジクロフェナクナトリウムを対照薬とした多施設二重盲検比較試験
変形性関節症は膝関節, 股関節のような荷重関節に多発し, 関節軟骨の退行性変化を基盤として骨, 軟骨の増殖や二次性の滑膜炎を起こす慢性, 進行性の変性疾患としてとらえられているが, その成因についてはいまだ不明な点も多い, 主な臨床症状は, 疼痛, 腫脹, 局所熱感, 可動域制限, 変形などであり, これにより歩行, 正座, 階段の昇降など日常生活動作に障害がおこる. 治療法としては, 薬物療法や理学療法による保存療法と, 骨切り術や人工関節置換術等の手術療法がある. このうち, 薬物療法としては, 患者の日常生活上まず疼痛および炎症の除去が求められるため, 種々の非ステロイド性抗炎症剤(NS...
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Published in | 炎症 Vol. 17; no. 2; pp. 195 - 214 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本炎症・再生医学会
19.03.1997
日本炎症学会 |
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ISSN | 0389-4290 1884-4006 |
DOI | 10.2492/jsir1981.17.195 |
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Summary: | 変形性関節症は膝関節, 股関節のような荷重関節に多発し, 関節軟骨の退行性変化を基盤として骨, 軟骨の増殖や二次性の滑膜炎を起こす慢性, 進行性の変性疾患としてとらえられているが, その成因についてはいまだ不明な点も多い, 主な臨床症状は, 疼痛, 腫脹, 局所熱感, 可動域制限, 変形などであり, これにより歩行, 正座, 階段の昇降など日常生活動作に障害がおこる. 治療法としては, 薬物療法や理学療法による保存療法と, 骨切り術や人工関節置換術等の手術療法がある. このうち, 薬物療法としては, 患者の日常生活上まず疼痛および炎症の除去が求められるため, 種々の非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)が投与されている. しかし本疾患は病態の特徴から加齢とともにその発現頻度が高くなるため高齢者に多く, かつ慢性疾患であるためにNSAIDの投与が長期にわたることがあるが, 長期連用は副作用の点からあまり好ましくないとされており, 短期間の使用で関節の疼痛を抑制し, かつ副作用の少ないものが望まれている. |
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ISSN: | 0389-4290 1884-4006 |
DOI: | 10.2492/jsir1981.17.195 |