陰茎癌に対する臨床的検討

1976年から1987年にかけて近畿大学医学部付属病院泌尿器科において経験した陰茎癌症例10例について臨床的検討を加えた. 自験例の平均年齢は60.6歳で, 42歳から87歳までであった. 症状発現から初診までの期間は平均17.6カ月であった. 包茎との合併率は80%と高率であった. 臨床病期分類は Jackson の Stage 分類とTNM分類に従った. Jackson の Stage 分類において, Stage I 4例, Stage II 1例, Stage III 2例, Stage IV 3例であった. TNM分類においては, Tis 2例, T11例, T25例, T31例, T...

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Published in日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 79; no. 8; pp. 1453 - 1457
Main Authors 松田, 久雄, 片岡, 喜代徳, 上島, 成也, 栗田, 孝, 松浦, 健, 秋山, 隆弘, 石川, 泰章, 辻橋, 宏典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本泌尿器科学会 1988
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ISSN0021-5287
1884-7110
DOI10.5980/jpnjurol1928.79.8_1453

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Summary:1976年から1987年にかけて近畿大学医学部付属病院泌尿器科において経験した陰茎癌症例10例について臨床的検討を加えた. 自験例の平均年齢は60.6歳で, 42歳から87歳までであった. 症状発現から初診までの期間は平均17.6カ月であった. 包茎との合併率は80%と高率であった. 臨床病期分類は Jackson の Stage 分類とTNM分類に従った. Jackson の Stage 分類において, Stage I 4例, Stage II 1例, Stage III 2例, Stage IV 3例であった. TNM分類においては, Tis 2例, T11例, T25例, T31例, T41例であり, N03例, N14例, N23例であった. 病理組織学的には, 9例が扁平上皮癌, 1例が Erythroplasia of Queyrat であった. 治療は手術, 化学療法の併用療法を主に施行した. 生存率は Kaplan-Meier 法により算出した. low stage 群は high stage 群に比べ有意に高値を示した. 死亡症例は5例にみられ, 癌死症例についての検討も同時に施行した.
ISSN:0021-5287
1884-7110
DOI:10.5980/jpnjurol1928.79.8_1453