研究会 第30回 理論心電図研究会 第1テーマ:心電図波形の成り立ち 交感神経刺激時のMAP変化と心電図変化

交感神経刺激開始直後,神経支配域心室筋にMAPプラトー電位増大,接続延長の変化が生じ,これに一致して同部のST下降・T波陰転が生じた(初期変化).この変化が非支配域にST上昇・T波陽転の対側性変化を伴った.同変化は一過性で数秒で消失した.また,刺激開始30秒頃から,支配域MAPは静止期電位増大,持続短縮を示すようになり,これに一致して同部ECGはST下降・T波陽転へ変化を呈した(後期変化).この変化は対側性変化として非支配域のST上昇・T波陰転を伴った.後期変化の持続は長く,刺激停止後も3-4分間続いた.このようにMAPプラトー相および静止期電位の変化はEGC上ST変化に,持続の変化はT波の変...

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Published inShinzo Vol. 28; no. 3; pp. 257 - 262
Main Authors 高橋, 宣光, 飯沼, 宏之, 加藤, 和三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1996
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.28.3_257

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Summary:交感神経刺激開始直後,神経支配域心室筋にMAPプラトー電位増大,接続延長の変化が生じ,これに一致して同部のST下降・T波陰転が生じた(初期変化).この変化が非支配域にST上昇・T波陽転の対側性変化を伴った.同変化は一過性で数秒で消失した.また,刺激開始30秒頃から,支配域MAPは静止期電位増大,持続短縮を示すようになり,これに一致して同部ECGはST下降・T波陽転へ変化を呈した(後期変化).この変化は対側性変化として非支配域のST上昇・T波陰転を伴った.後期変化の持続は長く,刺激停止後も3-4分間続いた.このようにMAPプラトー相および静止期電位の変化はEGC上ST変化に,持続の変化はT波の変化に反映することが分かった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.28.3_257