下顎歯肉に転移した肝細胞癌の1例

肝細胞癌が下顎歯肉に転移した73歳, 男性の症例を報告した。原発巣に対してTAE (肝動脈塞栓術) を2回施行したが, 腫瘍の再増殖に伴い肝外側区域切除術を追加した。その翌月に下顎歯肉へ, さらに3か月後にオトガイ下リンパ節転移をきたした。この時点で原発巣, 遠隔転移巣とも制御されており, 何れの病巣も外科的切除により救済を行った。しかしながら, 次第に原発巣再発, 多発性転移 (前胸部, 骨, 肺) が発現し, 食道静脈瘤破裂も伴い, 転移性腫瘍切除後7か月で患者は死亡した。その間, 顎口腔領域, 所属リンパ節に腫瘍の再発を認めず, 口腔機能の維持によりQOLは保たれた。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 18; no. 2; pp. 49 - 54
Main Authors 世良, 仁, 村山, 敦, 向坊, 明浩, 鈴木, 幸一郎, 高橋, 哲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 15.06.2006
日本口腔腫瘍学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-5988
1884-4995
DOI10.5843/jsot.18.49

Cover

More Information
Summary:肝細胞癌が下顎歯肉に転移した73歳, 男性の症例を報告した。原発巣に対してTAE (肝動脈塞栓術) を2回施行したが, 腫瘍の再増殖に伴い肝外側区域切除術を追加した。その翌月に下顎歯肉へ, さらに3か月後にオトガイ下リンパ節転移をきたした。この時点で原発巣, 遠隔転移巣とも制御されており, 何れの病巣も外科的切除により救済を行った。しかしながら, 次第に原発巣再発, 多発性転移 (前胸部, 骨, 肺) が発現し, 食道静脈瘤破裂も伴い, 転移性腫瘍切除後7か月で患者は死亡した。その間, 顎口腔領域, 所属リンパ節に腫瘍の再発を認めず, 口腔機能の維持によりQOLは保たれた。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.18.49