当院における移植後シクロホスファミドを用いたHLA 半合致移植の経験

• Published in: 神戸市立病院紀要 Vol. 60; pp. 9 - 15
• Main Authors: 井本, 寛東, 岡田, 直樹, 米谷, 昇, 山本, 隆介, 吉岡, 聡, 松下, 章子, 下村, 良充, 上條, 公守, 石川, 隆之, 西久保, 雅司, 平本, 展大
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 地方独立行政法人 神戸市民病院機構 2022
• Subjects: GVHD 予防; HLA 半合致移植; 同種造血幹細胞移植; 移植後シクロホスファミド
• ISSN: 0286-455X; 2434-7590
• DOI: 10.32301/kobecityhospital.60.0_9

移植後シクロフォスファミド（posttransplant cyclophosphamide, PTCy）による移植片対宿主病（graft-versus-host disease, GVHD）予防法の登場により、HLA 半合致移植は現在世界で拡大を続けている。本研究では49 名の血液悪性腫瘍の患者（年齢中央値：57 歳）にPTCy を用いたHLA 半合致移植を施行し、その治療成績、安全性を後方視的に検討した。2 年全生存率 74.8％、2 年無増悪生存期間 66.3 %、2 年無GVHD/ 再発生存率 44.1%、1 年非再発死亡率 4.1%、Ⅱ - Ⅳ度1 年急性GVHD 34.5%、2 年慢性GVHD 40.5% であり、一定の治療効果を認めつつ、安全性に優れていた。PTCy を用いたHLA 半合致移植は本邦で安全に施行できる移植方法の一つであると考えられた。