利尿レノグラムを用いた尿管膀胱接合部の通過性の評価に関する検討

Non-refluxing Megaloureter (MU) および膀胱尿管新吻合術々後25症例について, 尿管膀胱接合部 (UVJ) の通過性の評価に99mTc-DTPAを用いた腎動態スキャンにて利尿剤負荷レノグラム解析 (DR) を行なった. (1) 関心領域 (ROI) の設定は, 腎孟, 腎孟+尿管の2点で行ない, 大多数の例で利尿排泄パターンの一致をみたが, 尿管の拡張が高度の場合には利尿排泄パターンに変化がみられ, 腎孟+尿管にROI設定を行なつた. (2) IVP等の臨床所見との比較にて, (1) 腎機能の低下している例では, 利尿排泄パターンの悪化という false posi...

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Published in日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 75; no. 4; pp. 665 - 671
Main Authors 谷口, 光太郎, 野々村, 克也, 小柳, 知彦, 南谷, 正水, 伊藤, 和夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本泌尿器科学会 1984
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ISSN0021-5287
1884-7110
DOI10.5980/jpnjurol1928.75.4_665

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Summary:Non-refluxing Megaloureter (MU) および膀胱尿管新吻合術々後25症例について, 尿管膀胱接合部 (UVJ) の通過性の評価に99mTc-DTPAを用いた腎動態スキャンにて利尿剤負荷レノグラム解析 (DR) を行なった. (1) 関心領域 (ROI) の設定は, 腎孟, 腎孟+尿管の2点で行ない, 大多数の例で利尿排泄パターンの一致をみたが, 尿管の拡張が高度の場合には利尿排泄パターンに変化がみられ, 腎孟+尿管にROI設定を行なつた. (2) IVP等の臨床所見との比較にて, (1) 腎機能の低下している例では, 利尿排泄パターンの悪化という false positive 例がみられる. (2) Non-refluxing MUでは膀胱空虚時レノグラム9例中6例が非閉塞性パターンを示した. (3) Non-refluxing MUで, 膀胱空虚時レノグラムで非閉塞性パターンを示す例の中に, 充満時に閉塞性パターンを示す例がある. 以上, DRは, その時の膀胱の伸展性・充満度を考慮することにより, UVJの通過性の評価に有力な検査法となり得る.
ISSN:0021-5287
1884-7110
DOI:10.5980/jpnjurol1928.75.4_665