傍突起部内頚動脈瘤の発育方向とコイル塞栓術の治療結果
傍突起部内頚動脈瘤のコイル塞栓術の治療成績向上を目的として自験例を分析した.動脈瘤を発育方向別に4群に分け,動脈瘤や内頚動脈サイホンの解剖学的な特徴,コイル塞栓術による治療成績,治療難易度を比較検討した.対象は34例の35病変で,腹側群17例,内側群7例,背側群8例,外側群3例の4群である.腹側および内側群は小さく,ワイドネックが多かった.背側および外側群の動脈瘤頚部はサイホン部以遠に多く,サイホンの屈曲角度はより鋭的であった.治療は32病変で完遂できた.治療効果と塞栓率は背側および外側群で劣る傾向があった.背側および外側群のサイホン屈曲角度はより急峻で,サイホンのより遠位に動脈瘤が多いことが...
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Published in | 脳神経外科ジャーナル Vol. 21; no. 6; pp. 481 - 488 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科コングレス
20.06.2012
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ISSN | 0917-950X 2187-3100 |
DOI | 10.7887/jcns.21.481 |
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Summary: | 傍突起部内頚動脈瘤のコイル塞栓術の治療成績向上を目的として自験例を分析した.動脈瘤を発育方向別に4群に分け,動脈瘤や内頚動脈サイホンの解剖学的な特徴,コイル塞栓術による治療成績,治療難易度を比較検討した.対象は34例の35病変で,腹側群17例,内側群7例,背側群8例,外側群3例の4群である.腹側および内側群は小さく,ワイドネックが多かった.背側および外側群の動脈瘤頚部はサイホン部以遠に多く,サイホンの屈曲角度はより鋭的であった.治療は32病変で完遂できた.治療効果と塞栓率は背側および外側群で劣る傾向があった.背側および外側群のサイホン屈曲角度はより急峻で,サイホンのより遠位に動脈瘤が多いことが,コイル塞栓術を困難にしていると考えられた. |
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ISSN: | 0917-950X 2187-3100 |
DOI: | 10.7887/jcns.21.481 |